そう言いながら廊下にある窓を指差した。
その先には館と同じ屋根の色の建物が見える。
図書館
フレムはワイン色の表紙をした分厚い古代書を一冊抱えペラペラと書物を巡り始めた。
その時、何処からか足音が近づいて来た。
前方からやって来たのは紫の髪に小さなツノと羽を持った青年と赤と紫の瞳に猫の耳を持った少女だった。
カイの言葉は虚しく、誰の耳に入らなかったようだ。
訓練場
カイの目の前には大きなガラスが貼られていた。その先にはコンクリートで出来た広場が見える。
そう言われて、左を向くと木製の扉があった。
そこが武器倉庫らしい。
武器倉庫から出て来たのは背の高い男女2人とそれよりも少し背の低い緑髪の少女だった。
まるで小動物を狙う蛇の様に睨むリルと何処か可哀想だと言うの様に苦笑いをしながら挨拶をするレイト……かなり対照的な2人だ。
医務室前
さっきまで図書館やら訓練場には入っていたのに何故が医務室だけは医務室前の廊下だけとなってる。
庭園
俺とフレムは東側にある畑の方へと行った。
畑には2人の人影が見えた。
梅雨のマシンガントークに圧倒され、何も口に出す事ができなくなった。
自室
疲れたと言っても、後からここに来て初の任務。
ここまで来るのにかなりの体力を使ったがこれからまた体力を使わないとかいないと考えると少し憂鬱だ。
けど、仕方ない事だ。
ここまで来たならやるしかない。
そう思いながら部屋の窓を見つめた。
外は茜色に染まりかけている。遠くには何処かの国か都市かは分からないが建物が見える。
多分、自分が来た都市よりも大きな都市だろう。
穏やかな風がなびきカーテンがカイを覆い隠した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。