第6話

5話 案内
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2024/06/18 15:24
フレム
フレム
じゃ、今から館内を案内するからちゃんと着いて来いよ
カイ
カイ
はいはい
フレム
フレム
因みにここから見える建物あるでしょ?
そう言いながら廊下にある窓を指差した。
その先には館と同じ屋根の色の建物が見える。
フレム
フレム
あれが、今日からお前が住む所ね
他の人もいるから喧嘩とかはあまりしないでよね。色々と面倒だし
カイ
カイ
他の人って居たのかよ
フレム
フレム
えぇ、カイと同い年ぐらいで5人。それより年上が私を含め4人居るわよ
カイ
カイ
そんなに居るのかよ
フレム
フレム
まぁね。それじゃ、早速行くわよ









図書館
フレム
フレム
ここが図書館ね
ごく普通の本から歴史書、古代書、魔導書まで有るから気軽に使っていいわよ
カイ
カイ
すげぇな、これどうやって集めたんだよ
フレム
フレム
今まで世界を旅していてね、そこで集めていたのよ
カイ
カイ
へー…てか、古代書があるって言ってたけど読めるのか?それ
フレム
フレム
読めるっちゃ読めるけど………
一応翻訳版とかを書いてるからそれを使ってちょうだい
フレムはワイン色の表紙をした分厚い古代書を一冊抱えペラペラと書物を巡り始めた。


その時、何処からか足音が近づいて来た。



ジル
ジル
あー、フレム!
なにやってんの〜?
桜
やほ〜、あれ?その子誰???
前方からやって来たのは紫の髪に小さなツノと羽を持った青年と赤と紫の瞳に猫の耳を持った少女だった。
フレム
フレム
あら、ジルに桜。この子はカイよ今日からここに入る事になったの
ジル
ジル
我ジル。よろしく!
桜
私は桜
よろしくね〜
カイ
カイ
よろしく
フレム
フレム
そういえば2人共、後で2人任務でしょ?
今日からカイもここに入るんだしカイも一緒でいいかしら?
カイ
カイ
は?今日から⁈
桜
うん、いいよ
ジル
ジル
人数多い方が楽だしな
フレム
フレム
じゃ、決まりね
カイの言葉は虚しく、誰の耳に入らなかったようだ。
フレム
フレム
それじゃ、次行くわよ
カイ
カイ
あ、嗚呼….


訓練場
フレム
フレム
ここが訓練場ね。好き勝手に使っていいけど面倒事は起こさないでよね
カイ
カイ
……これ、どうなってるんだ?
カイの目の前には大きなガラスが貼られていた。その先にはコンクリートで出来た広場が見える。
フレム
フレム
このガラス壁の先が訓練場。こっちのドアから訓練場に入れるからな。で、そっちが武器倉庫ね。
そう言われて、左を向くと木製の扉があった。
そこが武器倉庫らしい。
カイ
カイ
このガラスって割れたしないのか?
フレム
フレム
しないわよ。最初は普通の防弾ガラスにしようとしたけど、能力や魔法とかの攻撃には弱かったか特別にジルに作ってもらったのよ
カイ
カイ
そんな事出来るのかよアイツ
フレム
フレム
あの子の能力は様々な物質を作り出したり変化させる事だから…….ま、詳しい事は本人から聞いて




リル
リル
あれ?フレじゃん!
つか、その子誰ー?新入り?
新入りだったら力試しで受けて立つけど
レイト
レイト
急にそんな事言うのは辞めろ、リル
ネオン
ネオン
そうだよー、リル
カイ
カイ
えっと…….コイツらは….
武器倉庫から出て来たのは背の高い男女2人とそれよりも少し背の低い緑髪の少女だった。
フレム
フレム
右からリル、レイト、ネオンよ
リルとレイトは子供達の中でも最年長の18歳なの。あ、この子はカイね
リル
リル
ふーん、お前カイって言うんだ
レイト
レイト
色々と大変だと思うけど…よろしくね
まるで小動物を狙う蛇の様に睨むリルと何処か可哀想だと言うの様に苦笑いをしながら挨拶をするレイト……かなり対照的な2人だ。

フレム
フレム
んじゃ、次行くぞー
レイト
レイト
また後で話そうね〜
カイ
カイ
あ、はい…




医務室前
フレム
フレム
ここが医務室ね
カイ
カイ
なぁ、何で中には入らないんだ?
さっきまで図書館やら訓練場には入っていたのに何故が医務室だけは医務室前の廊下だけとなってる。
フレム
フレム
……………
カイ
カイ
フレム
フレム
医務室を担当してる奴は私とは相性が悪くてね……だから、なるべく顔は合わさないの
カイ
カイ
………
フレム
フレム
行くわよ…….
カイ
カイ
…….




庭園
フレム
フレム
ここが庭ね。東側が温室と畑があって、西側が池や遊具があるの。裏庭には小さな森があるけど……あまり行かないでね
カイ
カイ
ここに来た時もそうだったが、広いなこの庭
フレム
フレム
館の割に庭が広くないのはちょっとって思ってね
フレム
フレム
あっちの2人居るから行くわよ
カイ
カイ
はい


俺とフレムは東側にある畑の方へと行った。
畑には2人の人影が見えた。
フレム
フレム
おーい、伊織、梅雨
_伊織@イオリ_
伊織イオリ
お?フレ姐〜!
その子どしたの?
_梅雨@ツユ_
梅雨ツユ
誰〜?
カイ
カイ
カイと言います。今日からよろしく
_伊織@イオリ_
伊織イオリ
よろしくな。俺は伊織
_梅雨@ツユ_
梅雨ツユ
アタイは梅雨!よろしく
そういえば君どこから来たの?
好きな食べ物は?アタイはショートケーキが好きなんだ〜!!
あ、そういえばこの館大っきくて驚いたでしょ?アタイもここに来た時は………
梅雨のマシンガントークに圧倒され、何も口に出す事ができなくなった。
フレム
フレム
梅雨少し落ち着きなさい
_梅雨@ツユ_
梅雨ツユ
あ、は〜い
フレム
フレム
じゃ、一通り案内終わったし部屋に戻っていいわよ。部屋なんだけどカイの部屋は3階で3階なら空いてる部屋を勝手か使って良いわよ
フレム
フレム
一応、さっき場所伝えたけど……覚えてるわよね?
カイ
カイ
まぁ、少しだけ覚えてるから……なんかとなると思う…
フレム
フレム
そう、なら良かった。あ、あとジル達の任務は5時からだから5時には大広間に居る様にね
カイ
カイ
了解




自室
カイ
カイ
はぁ………疲れた…

疲れたと言っても、後からここに来て初の任務。
ここまで来るのにかなりの体力を使ったがこれからまた体力を使わないとかいないと考えると少し憂鬱だ。
けど、仕方ない事だ。
ここまで来たならやるしかない。

そう思いながら部屋の窓を見つめた。

外は茜色に染まりかけている。遠くには何処かの国か都市かは分からないが建物が見える。
多分、自分が来た都市よりも大きな都市だろう。

穏やかな風がなびきカーテンがカイを覆い隠した。


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