後ろからドンッと背中を押され反射的によろめいてしまった。
名前を覚えてもらって嬉しかったのかまるで子供の様な無邪気な笑顔を見せた。
そう言いカイの腕を引っ張り外へと出て行った。
前を歩いていたジルが止まり振り向いた。
後ろを振り向くと4、5mくらいに及ぶ大きさの狼の様な何かがカイに目掛け襲って来た。
間一髪避けられたが獲物を逃したと思った魔物はかなり怒り狂ってる様子だ。
そう言い、足元にあった小石を拾った。
小石を魔物目掛けて力強く投げた。
投げた小石が一瞬で炎を変わり魔物の身体へと命中した。
鼓膜が破れる程の甲高い悲鳴が森中に響き渡った。
安堵したのも束の間、
焦げた身体のまま起き上がった。
魔物は桜達目掛けて牙を見せながら走って来た。
桜は少しの恐怖で震えかけながら魔物を睨みつけた。
時間帯の所為なのか僅かに桜の瞳が光っている様に感じた。まるで、相手を威嚇するように。
その瞬間、
突然と魔物がその場で呻き数分後には静かになった。
そう言い、ベルトにつけていたのであろうナイフカバーから取り出したのは50cmぐらいのナイフを取り出し、魔物の首へと切りつけた。
分かったか?と言われてもコイツらの討伐方法が大胆とだけ分かったがな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。