無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第111話

83ページ目。 朱太マーカー。
ふわふわとした意識の中。

目の前には思い出が

ぷかぷかと浮かんでいる。


”あの頃”の思い出、

軽音部の皆に出会ってから。


その中で見覚えのないものが1つ。

手を伸ばして触れた瞬間、

ビリビリと電気が走ったように感じた。

痛みを感じたのは手ではなく頭だった。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
………ん、……ちゃん、あなた‼︎
(なまえ)
あなた
……はっ‼︎ゴホッゴホッ。
天、月君…。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
…よかった、気が付いて……。
私が寝ていたのはテント前のレジャーシート。

バスタオルがかけられていて、

こんな水着を着ている私への配慮ととる。


そうだ、私は天月君に助けられたんだ。
(なまえ)
あなた
天月君、本当にごめんね…!
私……
天月-あまつき-
天月-あまつき-
いいって、いいって!
溺れそうな女の子を助けるのは
男の役目でしょ?
(なまえ)
あなた
……っ‼︎
まただ。

また痛みが頭を襲った。


太陽のような笑顔。

前向きで明るくしてくれる言葉。


……。

彼は……。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
……あなたちゃん?
まだ具合、悪い…?
心配そうに見つめる瞳。
(なまえ)
あなた
……ううん、大丈夫だよ。
皆そろそろ帰ってくるかな?
微かな記憶の中の自分より

控えめな声色と笑顔で答える。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
…そうだね、もうすぐだと思うよ!
この懐かしさは。

ただの勘違いなんかじゃなかったんだ。


私は____________

"前にも"彼に助けられた。


脳内に薄く広がる記憶の中で

全く同じセリフ、同じ笑顔を浮かべた

よりあどけない天月君がいた。



それから数分後、飲み物を持った

皆が帰って来た。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
おかえりー。
……って坂田、びしょ濡れじゃん。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
聞いてくれよあまちゅ‼︎あなた‼︎
うらさんったら水にビビってたんに
ボートに乗った瞬間、
運転のコツを掴んで俺だけ
ピンポイントで落としたんやで‼︎
(なまえ)
あなた
……どんまい。さかたん。
センラ
センラ
そう言うあなたも
髪まで濡れてるけど
海、入ったんか?
(なまえ)
あなた
あ、えーっとこれは……
天月-あまつき-
天月-あまつき-
ちょっとはしゃぎすぎただけ!
楽しかったよ!…ね!
天月君はアイコンタクトをして来た。

その気遣いにのり、私も誤魔化した。
(なまえ)
あなた
う、うん!そう!
それからもボートで起こった珍事件を

聞きながらお菓子を頬張った。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
……はははははwww
皆、よくやるねえw
……彼は。

ほとんどピースが欠けた、

私の幼き記憶のパズル。


真ん中には表情の分からぬ私と誰か。

男の子なことは覚えていた。

名前も顔も、何も覚えてないけど。


そしてその男の子は信じられないほど

天月君によく似ていた。