第11話

11:楽様
408
2021/06/23 09:02
前話10:契約より、数刻


私は楽様の家に着いて行った
八乙女楽
ここが俺の家だ 
自分の家だと思ってくれて
構わないからな
楽様はリビングらしきドアを開ける
するとそこには




楽様によく似た男性がいた
八乙女楽
っ、もう帰ってきてたのかよ
八乙女宗助
?楽!誰だソイツは!
私はとりあえずお辞儀をした
八乙女楽
俺の専属秘書
八乙女宗助
俺の許可無しに?
ふざけているのか!
八乙女楽
はぁ、行くぞ
シオン
シオン
かしこまりました
八乙女宗助
おい待て!
私達は後ろの男性を無視して廊下を進んだ










シオン
宜しかったのですか?
八乙女楽
親父の事は考えるな
シオンは俺の専属だろ
シオン
...はい
八乙女楽
そういえば
お前、荷物持ってないけど
服とかは?
シオン
?これのみですが?
八乙女楽
?!洗濯は?
シオン
いえ、一睡もしていませんし
私は汗をかきにくいので
八乙女楽
いやいやいや、
そういう事じゃなくてな
...はァ
とりあえず風呂行け
服は...デカいが俺のでいいか?
シオン
かしこまりました。
では清掃をしてまいります
場所を...
八乙女楽
いや今日お前休み
シオン
え?
八乙女楽
初日なんだから 楽にしてろ
俺がやってくるから
シオン
ですが
八乙女楽
主人命令
シオン
...かしこまりました
八乙女楽
...明日は服買いに行くからな
どんなの欲しいか考えておけよ
シオン
はい
八乙女楽
あ、ついた。
ここが俺の部屋
中にある本とか好きに読んでていいぞ
俺風呂洗ってくるから
楽様は私を頭を少し撫で、廊下を歩いて行った













シオン
...あれがイケメン、
というのでしょうか
私は楽様の部屋の真ん中でボソッと呟いた



たしか、本読んでいいって...
シオン
...思いの外
恋愛小説がありますね...
とても意外だ
シオン
あとは...考古学でしょうか?
...恋愛小説の衝撃が←
とりあえず、私は
何を読もうか決まらなかったので
背表紙を見ようと考えた


すると、視界の端に映る雑誌の並び




私はそこに手を伸ばした




表紙には天様を真ん中にした
TRIGGERの3人

その雑誌は女性向けファッション誌だった

TRIGGERのページが大半だったが
間に挟まれていたモデルの着ていた洋服が
私にはとても輝いて見えた




白いワンピース

ピンクのパーカーや


寒色を基調としたコーデ


私には見たことないものばかり




その中でも、私は
"空色のワンピース"が特に綺麗に見えた




生まれてから1度も
着させて貰えなかったドレスのように見えて

私は、1度でいいから着たかった
舞踏会で、家族やお客様に1度でいいから言われたかった

綺麗だね、と
八乙女楽
何見てんだ?
シオン
?!お、おかえりなさいませ
楽様...
八乙女楽
ただいま
ワンピース?欲しいのか?
シオン
い。いえ
たまたま
八乙女楽
さっき穴が空くほど読んでたのに?
シオン
!...
私は、ドレスというものを
着てみたく...
八乙女楽
そっか...
なら明日買いに行くか
シオン
よ、宜しいのですか?
八乙女楽
あぁ。ワンピースかぁ...
ショッピングモールで
ハシゴするか?
シオン
ありがとうございます
楽様は、私の願いを叶えてくれる

あの人々と違う

私の意見も聞いてくれる





この方の傍にいれば









でも






Prrrrrrrr
八乙女楽
?電話?
現実はそう甘くない
シオン
私で...
...え、
神様は私に酷い事ばかりする










『ノースメイア王国
王宮本部 』




私は恐る恐る通話ボタンをタップした

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