またこの景色が見れるなんて思わなかった
隣ではすやすや眠る蓮
私は黒板に書かれた文字をノートに書く
授業終了の鐘が鳴るとみんなはむくっと起き上がり
次の場所へと向かう
蓮「やべ、また寝てた」
隣でも欠伸をしながら起きる人が1人
蓮「久々に行くかー」
なんて言って
また私の手を取り歩き出す
「え、ちょっと、」
着いたのはラウちゃんの学校の前
ドンピシャな時間
揺れる金髪が目に入った
蓮「タピオカでも飲んで帰ろ」
ね?なんて言われたら
うん。としか答えられない
それよりもラウちゃんの反応が怖くって
前を見れない自分がいる
ラウ「あなたちゃんっ!!!」
それでも、そんな心配を吹っ飛ばしてくれる彼
ドンッとすごい勢いで私を抱きしめる
そんな私を支えてくれる蓮
ラウ「この前はごめんね」
「私も、ごめんね。」
ラウ「あなたちゃんは悪くない」
ほら、心地いいんだ
否定されない彼らの世界が
心の底から心地いいんだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。