部屋の片付けも中途半端なまま寝てしまっていた 。
起きてすぐスマホを確認してみると 既に午前8時半と記されていた 。
起き上がり 床に散乱している物を適当に片付ける 。
その度に出てくるものはやはり 思い出の品ばかりであった 。
「 そういえば この関係って終わらせ方わかんねぇよなぁ … 」
ふとそんな言葉を吐いてしまった 。
自分の中では終わらせたくないという気持ちもあった 。 それが何故なのかは全くわからない 。
その気持ちとは裏腹に
( 早くこの関係をなんとかしなければ 。 )
そんな思いが俺の中で葛藤していた 。
悩みに悩み抜いた末に この関係を終わらせることにした 。
'' お互い自由に恋愛をしよう 。''
そう言えばいいものを 何かが喉に突っかかる 。
やけにスッキリしない 。
早く終わらせてしまえばいいのか 。 もう会わないようにすればこのモヤモヤは取れるだろうか 。
そう考えていると 気づいたら スマホの画面を開いていた 。
真っ先に出た言葉は
「 もう会うのはやめよう 」
その一言だった 。 言いたいことは山ほどあるのに何故かこの言葉しか出ない 。
何故かチクリと痛んだ俺の胸 。
お前の正体は一体なんなんだ ?
続く 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。