第24話

三話➕
157
2025/11/14 02:58 更新
カナデ
……わあ……
カナデ
(風の匂い……あたたかい……)

屋敷の中で嗅いでいた香の匂いとはまるで違う。

木々の間を抜けてくる風は、どこまでも自由で、優しかった。
カナデ
森って、こんなに綺麗なんだ……
月の光が木の葉の隙間から差し込み、草を銀色に染める。
夜露が光って、小さな星みたい。
初めて見る世界に、心が溶けていくようだった。




───そのとき。


《ガサガサッ……》
カナデ
っ!なに……??
耳を澄ませると、茂みの向こうから、ぬらりと黒い影が現れた。
捻れたツノ。裂けた口。紫色の肌は赤黒く膨れ上がっている。
息を呑む間もなく、それは口を開いた。
へぇ……こんなところに美味しそうな人間がいるだなんてなぁ

低い声が、森を這うように響いた。
月明かりの中、その顔は人の形をしていなかった。

喉がひゅっと鳴る。
逃げなきゃ、でも足が動かない。
なんだぁお前、どこか怪しいな。気配が妙だ……
怪物が首を傾げる。
鼻を鳴らし、こちらの匂いを嗅ぐように近づいてくる。
カナデ
(やだ……怖い……逃げなきゃ…!!)
私は一歩、後ずさる。

その瞬間、そいつの表情が変わった。
おいおい──逃げようとするんじゃねぇ!!!
鬼の腕が大きく振り上げられた瞬間──空気が裂けた。
カナデ
きゃぁぁぁ!!!
鋭い爪が肩をかすめ、肉を裂く音が響く。
激しい痛みが走り、服がじわりと赤く染まっていく。




鬼の血と、隊士の魂、三話➕️お読みいただきありがとうございます!
もう一話出ます🫶🫶

プリ小説オーディオドラマ