監禁 二日目
今日のマッシュは俺を質問攻めにしてきた。「なんでここに居るのか」とか「皆は元気?」とか「ここはどこ」とか…一日目はやはり薬の影響で頭が回らなかったんだろう。
やっと状況を理解したようで、俺が地下に行く頃にはガチャガチャと抜け出そうとしていたから拘束魔法を少し固めた。
手間のかかる奴だよな。大人しくここに居ればいいのによ。「帰して」だとか喚いてやがる。
うるせぇって思いながらシュークリームを出せば直ぐにあいつの目はシュークリームを捉えた。
本当にシュークリームが好きなんだなって思い知らされたよ。それまで質問攻めしてきた奴がピタリと止んだんだ。
こいつ、誰でもシュークリーム出されたら着いて行くんじゃねぇか、?って思う程に。
それからは特に何も変化無し。飯も普通に食ってたし、顔色も何も変わってはいなかった。
二日目 終了 _ 。
監禁 三日目
今日、マッシュはとんでもない事を呟いた。
皆と会いたい?何を言っているんだ、マッシュは。と思った。だってそうだろ、?マッシュには俺一人で十分だ。他の奴なんて関係ない。要らない。なんでそんな事、マッシュの口から出たんだ。なんで、なんで、なんで。
目の前が暗くなっていく感覚を覚えた。そこからはあまり覚えていない。
ただ、マッシュの呻き声と鉄の匂いが監禁部屋に充満していた事は覚えている。
三日目 終了 _ 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。