全ての席が埋まってから少し経つと、教室の前のドアががらがら開いて、恐らく担任の先生が入ってくる。クラスの子たちはだれか知っているようで、少し色めき立っているのが気まずかった。
先生のあわてたような一言で皆ががたがたと椅子から立つ。
並び順は特に決まっていないようで、ジヨンとセビョクは私の後ろに並んだ。
ギフン先生?が大きい声でみんなに呼びかける。立たなくてよいのは正直ありがたい。そんなことを考えているうちに体育館についた。
公式の場での教師の話が長くて眠くなるのは全国共通らしい。あくびを噛み殺しながら2人の方を向くと、隣でジヨンが大船を漕いでいた。
セビョクが前を見て冷や汗をかいていたので私も前を向くと、壇上で話していたイノ先生が、話を続けながらこちらをにらんでいた。あれは後で絶対に怒られるやつだ……ジヨンも連れて行かねば。私だけが怒られるのは嫌だ!別に私わるくないし!
その後は、眠たげなジヨンを起こすのをあきらめたおかげで順調に進んだ。オ・イルナムという学園長が思ったよりも年を食っていたのが意外だったが、演説によると彼が一代でこの学園を作り上げたらしい。あまりにもスケールの違う話に眠気は一切起こらなかった。
入学式のあと、当然といえば当然だけど、先生に怒られた。でも、ありがとうな。と言われても理不尽だ!と思ってしまう。まあ、セビョクが言っていたとおり、ギフン先生がいい人だということは良く分かったけれど。
ひとしきり説教をくらった後、私たちは教室に戻された。
順調に皆の自己紹介が進んで行き、とうとう私の番になる。何を話せばいいのやらさっぱりだが、とにかく何かを言わなきゃ…!
終わった。何だ、趣味が音楽って。ジヨンが吹き出す声が聞こえた気がする。しかし、とにかく自分の番は終わった。終わったのだ。一抹の不安を抱えながら人の自己紹介を聞く。帰りのホームルームは、何の滞りもなく数分後に終わった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!