勢いで来てしまった……
こんなの北斗にバレたらどうなるだろう。
身震いするくらい恐怖でしかない。
元太が予約してくれたお店はお洒落な居酒屋さん。
普通のじゃなくてイタリアンチック。
何かあってからじゃ遅い。
元太はここのお店が行きつけらしく、おすすめの料理を
幾つか注文してくれた。
どう早く帰ろうか。
居酒屋さんの匂いが服にうつっても困る。
ここまで好意を迫られることがなかったから
どうしても動揺してしまう。
でも元太の気持ちになってみると、少し寄り添ってあげてもいいんじゃないかなんて善意が働く。
元太はそう言うと私の両手を包み込んで言った。
この真っ直ぐな目にはうそはない。
元太は本当に私のことを心の底から好きでいてくれているらしい。
今、1番出会いたくない人に出会ってしまった。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。