第6話

捜索
639
2021/07/09 09:16
俺の息子達が突然姿を消した。
学校の先生方から聞いた話には
るぅちゃんのクラスメイトが壁にぶつけられて
気絶をしたフリをしていたそうで……。

多分、るぅちゃんはそれを死んだと勘違いして
ころちゃんと一緒に逃げ出したと思われる。
P丸様
P丸様
るぅちゃん……ころちゃん……
ななもり。
ななもり。
探さないと……
ななもり。
ななもり。
探さなきゃ……
警察にも捜索を依頼したが、
東京の方では全く見つからない。
俺は試しにぴーちゃんの弟である
純一さんに電話を掛けてみた。
ななもり。
ななもり。
もしもし……
純一
純一
もしもし?どうかしましたか?
ななもり。
ななもり。
そちらの村で息子達を
見なかったでしょうか?
純一
純一
いや、見掛けてないですよ
ななもり。
ななもり。
そうですね……
ななもり。
ななもり。
でも、一回そちらにお伺いします
純一
純一
はい、わかりました
電話を切り、俺とぴーちゃんは二人で
苺村に行った。

そして、如月家に寄った。
純一
純一
久しぶり、P丸姉さん、
ななもり義兄さん
ななもり。
ななもり。
お久しぶりです
P丸様
P丸様
あの子達のことなんか知らない?
純一
純一
俺も何も分からないんだ
ななもり。
ななもり。
そっか……
ななもり。
ななもり。
俺、色んなところ探してきます
P丸様
P丸様
えっ、ななもりさん!?
俺はぴーちゃん達を置いて如月家を飛び出した。
走った先には、苺神社があった。

なぜ苺神社に来たかと言うと、
ころちゃんが以前純一くんに言われた言葉を
真に受けているかもしれないから。

自分達が忌み子だと思っているのかもしれない。
すると、奥から人影が現れた。
さとみ
さとみ
誰だ?
ななもり。
ななもり。
えっと、息子達を探してるんです
ころんとるぅとって名前なんですけど
さとみ
さとみ
お前、帰れなくなる前に
帰った方が良いぞ
ななもり。
ななもり。
えっ?
さとみ
さとみ
早く帰れよ!二度来んじゃねぇよ!
めっちゃ腹が立った。
ななもり。
ななもり。
分かりました、帰りますよ
俺は山道を下って行く。
ななもり。
ななもり。
何なんだよ、あれ
マジでムカついた。ふざけんなよ。
苛立ちながら歩いていると、
また鳥居の前に立っていた。
道を間違えたのかと思い、また下るが、
またしても、鳥居の前に着いてしまった。
ななもり。
ななもり。
何でここに……
さとみ
さとみ
まだテメェいたのか
早く出て行けよ
ななもり。
ななもり。
帰れるもんなら帰ってます!
さとみ
さとみ
はぁ?
ななもり。
ななもり。
なんか帰れないんです!
さとみ
さとみ
チッ……ついて来い
俺は彼について行くが、結果は変わらず、
俺は帰れなかった。
さとみ
さとみ
全くもう……
さとみ
さとみ
少しここで待ってろ!
絶対に狛犬の先からは行くな!
ななもり。
ななもり。
はい……
彼は走って神社の奥へ行った。
俺は訳も分からないまま、その場に座った。
ころちゃんとるぅちゃんは
今どこで何をしているんだろうか。

心配で心配で、心が壊れてしまいそうだ。

どうか生きててほしい。
空は真っ赤な夕焼けだった。

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