第42話

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2024/04/14 10:48 更新
やばそうな輩
なっ、何だコレ……!
やばそうな輩
動けねーぞ!
あなたの耳に入ったのは、目の前の不審者達が出した叫び声だった。
何が起こっているのか、視界が真っ暗なせいで分からない。

ただ、何かが割れただけで、誰かが助けに来た気配はない。
やばそうな輩
……砂だ!
やばそうな輩
砂が足を拘束してきている!
あなたははっとなる。
砂と言われて思い出すのは、オーターから貰ったキーホルダーである。
あなた
(確か……)
キーホルダーは、瓶の中に砂が入っていた。
ということは、あの瓶が割れた、ということかもしれない。
しかし、砂を動かしているのは誰だろうか。
少なくとも、この部屋の中に居る誰かのものではない。
自分の魔法で自分を苦しませることはないし、あなたもそれは出来ない。
あなた
(だけど……)
あなたは、オーターの固有魔法をよく知らない。
基本的な魔法を使っているところは見たことがあっても、固有魔法を使う機会はなかったのだ。

実際には、使っていたみたいだが、生憎あなたはそれを見逃していた。
ということで、聞いた情報しかない。
しかし、今はそんなことはどうでも良い。
逃げる事が最優先である。
鎖で繋がれていることも忘れて、あなたは走り始めた。
じゃらららら
あなた
むぐぐっ……
勢いよく元に戻される。
壁に体を打つ。あなたの体には衝撃が走った。
やばそうな輩
おい、これ簡単に抜けられるぞ!
やばそうな輩
本当だ、砂の量が大してないから拘束しきれていない!
瓶の中に入った砂はごく少量。
普通の大人ならまだしも、あなたを簡単に誘拐したような奴らだ。
体格が大きいのだから、長時間の拘束は容易ではない。
その場凌ぎの役割が大きいように思える。
やばそうな輩
しかも手はフリーだ。これなら殴れる。
そう言って、何かが飛んでくる音がした。
頰辺りに痛みを感じて、それが握り拳によるものだと気づく。
痛い、と言う声も出なかった。
何かが流れる感じが顔に広がる。おそらく血だろう。
もう一発飛んでくるのもすぐだろう。
あなたは恐怖に怯えながら、攻撃に構える。
ばん
物が当たる音がした。
パリン、という音も数秒後に聞こえたので、窓だと思われる。
やばそうな輩
⁉︎
ばんばんばんばんばんばんばん
その音は連続して聞こえた。
 :ཀ`(主人を出せやクソ野郎共。)
あなた
窓越し故にわずかにだったが、モナクの声が聞こえた。
やばそうな輩
ほ、箒が!
やばそうな輩
箒が喋ったあああああ⁉︎
誘拐犯達は、モナクが喋ったことに驚いている。
あなたの中では当たり前になりつつあったが、普通の人達からすれば異質なのだ。
ナイスである。
ロ੭ꠥ⁾⁾(オーターは入り口の方から来てるはずだからちょっと待ってて。)
やばそうな輩
オ、オイ、なんか言ってるぞ……
やばそうな輩
このガキ、神覚者だけじゃなくて喋る箒まで味方にしてんのかよ!
誘拐犯達には、どうやらモナク語は通じないらしい。
また、オーターが後ろ盾に居ることも知っているようだ。
やはり、かなりの情報を握っている。
あなた
(これなら大丈夫だ……)
オーターが来る。
今のあなたにとって、これ以上安心できる事はない。
どどどどどどどん
モナクとは反対方向から、轟音が響いた。
オーター
そこの扉を開けなさい!
やばそうな輩
……無駄だな、神覚者様。
やばそうな輩
ここの扉はダイヤモンド以上の硬度にする事が可能だ。
やばそうな輩
いくらお前でも壊せない。
言い合っている隙に、砂があなたに近寄る。
そして、手錠と目隠し、そして口を覆っていたものを外した。
あなた
ありがとう。
誘拐犯達は、オーターに夢中であなたなど見向きもしない。
静かに窓の方に近寄り、鍵を外す。勿論人力で。
オーターが居る方の扉を見ると、鍵は壊されている。
金属のような厚い板一枚で遮られているだけだ。
魔法対策だろう。
やばそうな輩
おい、ガキが逃げてるぞ!
やばそうな輩
お前が追え!
鎖の音がしないことに違和感を覚えたのか、あっさりバレてしまった。
あなたは逃げようとする。

しかし、部屋の中に隠れる場所はないし、逃げ道もない。
٩( و(乗って!)
すると、モナクが部屋の中に侵入してあなたにそう促す。
あなた
の、乗るって、どうやって!
*・・*(いいから!)
あなたはまだ箒に乗る訓練をしていない。乗りこなすのには相当連取が必要らしいのだ。
それを今いきなり言われても、と言う感じである。
だが、他に手段はない。
あなた
いくよっ!
誘拐犯達の手が伸びてきたところで、間一髪箒に飛び乗る事ができた。

そして、モナクは勢いをつけて、窓から外に出る。

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