第11話

じ ゅ う い ち
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2019/01/05 03:41
「 あなたッ 行こか びょーいん 」

『 あ、今日行かれへん。 』

「 え、なんで? 」

『 バイト。』

「 え、でも昨日行くってゆうとったやん 」

『 恭平がサボるから 』

「 きょッ… わかった。俺だけ行くわ 」

『 うん 』









バイトなんてない。









恭平がサボるのは事実やけど←









家に帰った。まっすぐ。









なんで私が言われなあかんのやろ









知らんし。









重岡、目覚ましたかな









元気になってるんやろか









なんか、考えてまうな









あの時と同じや









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三年前








『 はま…だ…? 』









横断歩道の信号は青やった。









そやから渡ったのに横から車が来た。









濵田は私を押した。









振り返ると濵田は倒れてた。









ただ助けを求めることしかできひんかった









クラスの子からは

お前が一緒におったから濵田が。

あなたちゃんが怪我すれば良かったのに









自分でも分かってた。









ちゃんと確認してから渡ればよかった。









でも、濵田は違った。

「 あなたは悪ないから自分を責めやんといて 」



病室のベッドでそういった。









だからその時何も出来へんかった分






濵田に返そって思う。



これであの女子に負けたら同じになるやろか









重岡も後悔するやろか。









『 行こッ 』









着替えて家を飛び出た。




『 重岡ッ 』

重「 あ、来てくれたん?嬉しいわ〜 」









いつものように笑ってた。









なんか、こっちまで笑えてくる









重「 あ、笑ったッ! 俺初めて見たで笑顔

普通の時も可愛ええけど笑うと3割増し 」

『 うるさい。』

「 照れてるやん 」

『 ほっぺツンツンすな 濵田。 』

「 崇裕やろッ! 」

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