立ち上がって話そうと思ったが結構膝が痛く、立ちにくかった。
ふと後ろを振り向くと、電柱の影である2人の女子が恵奈ちゃんの方を見て笑っていた。
今恵奈ちゃんは別の女子と話しているので気づいていないらしい。
あまりの怒りに、僕はそのいじめっ子2人に怒鳴った。
地味恵奈…?
恵奈ちゃんのあだ名なのか__?
.
分かってた。
恵奈ちゃんがいじめられている事は。
恵奈ちゃんが転んだ時は、カバンにカッターで切った様な切り口がついていたし、少しチャックが空いて中が見えていたが、紙屑でパンパンになっていた。
そして別の日の昼休みでは、紫髪の奴と金髪の奴に悪口言われてた。
先生は見て見ぬふりで、机をよく見ると、落書きで黒く埋め尽くされていた。
でも、怖くて__そういう自分が情けなくて____結局、何も出来なかった。
いつのまにか、田中 留衣さんが目の前に立っていた。
あまり話した事はない。
紫髪が声を荒げる。
相変わらずの口の悪さだ。
結局は留衣さんが止めてくれて、いじめっ子2人は別行動することになった。
僕は殆ど何も出来なかったが、恵奈ちゃん、これで少しは楽になるかな。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。