その日からというもの
夜になっても猗窩座が来ることはなくなった
今日は無限列車という列車へ炎柱の煉獄杏寿郎、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助と任務で一緒に向かうことになった。
この任務に柱がいるということは
相当な覚悟が必要なのだろう。
無限列車へ向かっている途中、
何故か竈門炭治郎に呼び止められた。
その言葉に、不覚にも心がズキっと傷んだ
それから色々と予想外な出来事が起こった。
無限列車自体が鬼であり敵であること。
俺は、それに眠らされている人々を守るために
伸びてくる触手をひたすらに斬り尽くしていた。
しかし、下弦の壱の対処中にも、
あの炭治郎の言葉が妙に引っ掛かっていた。
”雪の呼吸 弍ノ型 雪崩”
向かってくる触手を廻るように斬っていく。
しかし、無限に伸びてくる。
この触手はいくら斬ってもキリがない。
その次の瞬間、列車内が大きく揺れ始めた。
このままだと横転してしまうことを予測し、倒れる方向に沿ってできる限りの人をわし掴みにして、体を無理やり方向転換させた。
轟音と共に倒れた列車から抜け出し、
掴んでいた乗客たちを放した。
中にはまだ沢山の乗客たちがいる。
早く助けなければ…。
その時、轟音が鳴り響いた。
なんだ…?この音は……?
いや、でもきっと煉獄さんが対処してくれるだろう
だけど、さっきから鳴り止まない
……この胸騒ぎはなんなんだ?
気が付くと俺はそう全体に発声し、
その轟音の元へと駆け出していた。
轟音の元へ駆け寄り、角を曲がった所で、
そこには驚愕するような光景があった。
誰かと誰かが戦っていたのだ。そして戦いを呆然と見つめている竈門炭治郎と嘴平伊之助の姿も存在した。
ちらほら見える炎で煉獄さんだと予測がついたが、しかし、もう一方は誰なのかと更に駆け寄った。
その相手は黄色に輝く瞳に上弦の参と刻まれており、蒼い模様が肌に刻まれている。
なんで猗窩座がここにいる?
なんで猗窩座が戦ってる?
色々な疑問と驚きが湧いたが、そんなことよりあの戦いを止められるのは俺しかいないと”本能的”に感じ取った。
ぜぇぜぇと息を吐く俺を驚いたように猗窩座は動きを止めると、攻撃をやめない煉獄を避け、流れていくように森の中へと逃げていった。
なんで……なんで、俺から逃げていくんだ…?
ただその戦場に残ったのは困惑と驚き、
そして僅かな悲しみだった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!