第23話

桜舞い君は微笑むside1. 🖤💙💚
2,078
2024/03/31 07:00 更新
こちらは本編のsidestoryとなっています。


本編を見ていない方はまず読んできてからでないと


内容が掴めないと思うので見てからまたお越し下さい。












※'死'表現があります。苦手な方は🔙をお願いします。
(苦手な方は2話から見るのをおすすめしますが、


2話からだとイマイチ内容が掴めないかも…。


死表現と言ってもそこまで直接的にはしてないです。)


本編を読んで不快と感じた方も🔙をお願いします。












💚side(事件前)



『阿部くんがこの実験を始められたきっかけは?』

阿部亮平
なんだろうな、すごい興味があったからですかね。

『どういった実験をされているんですか?』
阿部亮平
これは、人を生き返らせるかもしれない薬をつくってます。


『そう話してくれるのは、


○○高校三年生の阿部亮平さん。』


『彼が行っている研究は


BLOOM projectという名で近頃注目を集めています。


このBLOOMというのは、


Bet a Life Oneself Once Moreの頭文字から。


もう一度貴方の一度きりの人生を賭けてみない?


という意味であるそうです。


この名の通り、彼が研究しているのは、


人が生まれ変われる薬。


本当に夢のある研究ですね。』





あっこの前の取材のやつだ。


ちゃんとした取材が来たのは初めてだったから


結構緊張した。


「あら、出てるじゃない、」


「最近の実験のことでも聞かれたの?」
阿部亮平
そうだよ、お母さん。

「すごいわね。」


「でも頑張りすぎないことね。」


「最近あなたの帰りが遅くてお母さん心配で…。」
阿部亮平
心配してくれてありがと。

俺は改めて環境に恵まれているなと思う。


お母さんは俺の実験に肯定的で、


学校も俺の実験に関してサポートしてくれる。


本当に感謝しかない。




学校でも、


「お前、テレビで見たよ、マジすげーな。」
阿部亮平
ありがとう。

「将来は研究者とか目指してたり?」
阿部亮平
そうだね。
「すげーな!!」


みんな俺を褒めてくれる。


でも俺自身そんなに自信があるわけではない。


研究中の薬が本当に効果あるのか分からないし


そもそも役立つものかもわからない。


でも、俺は、求めてるかもしれない誰かのために


今日も頑張っている。


阿部亮平
それぞれが様々な道に進んでいきますが、この学校で経験してきたことは一生残り続けます。
阿部亮平
僕は、この先も研究を続けていきたいと思っています。
阿部亮平
しかし、こうして僕が研究を続けていけるのは、皆さんの助けがあったからです。
阿部亮平
本当に三年間ありがとうございました。
阿部亮平
皆様の華々しい未来を僕も願っています。


卒業式。


俺は卒業生代表の言葉を任された。


大きな拍手に囲まれて


俺の三年間は間違ってなかったと伝えられた気がした。


結局、実験はまだまだ途中だけど、


一応試作品はできた。けどまだ完成とは言えない。


これから先もさらに研究を続けていきたい。


この想いは変わらない。



「さっきの言葉お母さん感動しちゃった。」


お母さんは泣いていた。

阿部亮平
ありがとう。
俺をずっと支えてきてくれて。




「なぁ阿部、この後一緒にお昼いかね?」
阿部亮平
行く!
高校の友達と話す最後の機会。


もう思い残すことはないように。
「えっ試作品ができた!マジか!」
阿部亮平
そう、まだ試してないんだけどね。

「三年間のお前の努力の結晶だろ?マジかよ。」


「逆に大学で何研究すんの?」
阿部亮平
うーん、大学で何やろうかな。

「俺らマジで応援してるからな、頑張れよ。」


そう言ってもらえて嬉しい。





しばらく話して、俺らは解散し、いつもの駅へ向かう。
阿部亮平
この学校もう来ないんだな。

電車に乗ってしまえばもうこの駅で降りることはない。


そう考えると寂しく思う。


阿部亮平
次の電車まであと三分か…。


阿部亮平
やばい…頭痛いな。

最近の寝不足のせいだろう。


試作品まであと少しだからと最近ずっと研究して
寝れていなかった。


やばい、本当に痛くなってきた。






体がふっと前に傾いた。




地面の感覚が消える。




あっ…と気づいたときにはもう遅かった。




俺は線路に投げ出された。




起き上がりたいのに体は重くて動かない。




電車の光が近づいてきた。




この時間帯、人は少ないから




こんな端っこの線路に落ちた人に気づく者もいない。




俺は終わりを知った。




残された時間はもうわずか数秒。




頭は重くて何も考えられない中、




俺はほんのわずかの希望を胸に




ポケットに入れていた、試作品の薬を飲み込んだ。




意識が遠のく中、誰かの叫び声が聞こえた気がした。




今までありがとう、みんな。














次に目を覚ました時、俺は高校二年生だった。

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