視点ランダム
また屋上に来る
声を発そうとする
声が出ない
咳しか出ない
おんりーだ…
筆記用具…ノート…!
ね、人間ってこうなの。
すぐ黙っちゃう
だからすぐ返答は返ってこない
…そう思ってた自分を殴りたい
あ、僕泣かしちゃった
これでこそ《悪者》じゃん
どうしよう…どうしよう…
ギュッ
声を出したいのに出ない
この苦しさはなんなの?
その言葉が来た瞬間僕はドッと涙が溢れて
抱き返す
おんりーの暖かみは一生忘れないよ
ガラガラガラガラガラッ
トコトコトコトコトコッ
スタッ
なんか罪悪感あるんだけど…
ちなみに僕らの出席番号は、
1番ドズルさん…で9番がおんりー、12番がぼんじゅうるさん、
16番が僕…24番がMEN
あ…き…し…そ…も
…なんでもないや
やばい、全然頭に入らない
…え?なんでかって?喉の痛みだよ…
っく…
ガラガラガラガラガラッ
終わった
おんりーとMENが離れてく。
きっと、裏口じゃなくて…声のことを話してるんだろう
そうなんだろう…いや、そうであって欲しい
トコトコトコトコトコッ
MENが筆記道具を持ってこっちに来たと思ったら
急に僕のメモ帳…ノートに「げーんき?」って聞いてくれた
そうして1日を終えた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。