ソーラ視点
今はあちゃみさんの部屋です。
夜も更けに更けて、現在21時。
あれからクミさんは目を覚ましません。
以前、私とあちゃみさんがこうなった事があるから、事前に対処法は知っていました。
こればっかりは病院とかでも治りませんし…
さっき、あちゃみさんが言葉を発してから姿を消したコンマ何秒かくらいでクミさんは走り出していました。
まるで…
こうなるって分かっていたかのように…。
その速さのおかげで
私たちは助かってますけどね…。
それに、あの時なぜ、
クミさんは魔法を使えたのだろう…。
この世界で、前にアイクさんとwatoさんが使おうとした時は、まるでびくともしなかったのに…。
何か条件があるのかな…?
何にせよ、クミさんが目覚めなければ何もわからないから…今はただ、待ち続けるしかありません…。
少なくともここにいる4人は、
いつ襲われる側に立つかわからない。
日頃から周りを見ないと…
またこういうことが起きる…。
クミさんがこの前言ってた怪しい人の話。
仮にそれが私たちを狙いとして言っていたなら今後ますます注意しないと…。
確かにここは現実の世界。
魔力なんてものは存在しないはず。
でも、今クミさんが魔法を使ったことでその定義は崩れる。
どうして何だろう…?
はてなしか頭に浮かびませんw
多分だけど、
仮に魔力があるとしたら、
それを手の一点に集中させる…ということ?
まぁ、それしか思いつかないから…
魔法はイメージが大事って魔女さんに言われたから…それを試して見ます…!
めいいっぱい力を込めた。
不思議な感覚…。
確かに力を込めているけど、
何か別の物が出せそう…。
初めて魔法を使った時もこんな感じだったような…気がする…。
パチッ…!
クミさんはまだ立てないくらいだったが、手のひらを上に向けたかと思うと急に「ぐっ…!」っと握った。
その瞬間…。
紫黒の色の魔力がクミさんの手の周りに今度は強く光を放っている。
マイクラの時に見た、黒い光…。
紐みたいになったり、クミさんの手から離れてもその形を保っていて…。
クミさんは、もう完璧に使いこなせるようになってるのね…。
あちゃみさんは、
さっきクミさんがやったように、手のひらを上に向けて「ぐっ」と握った。
その瞬間、オレンジ色の眩い光があちゃみさんの手に見えた。
さっき魔法を使ったクミさんが出せるのはわかるけど、何であちゃみさんまで使えるの!?
パチッ…
私も早く追いつきます…(2回目)
怖いものはみんなで共有しないとね…!
でも、やっぱり心配はかけたくないから…
今回あったことは4人だけの秘密。
収集がついたらちゃんと説明する!
という結論に至りました!
パシャ!
さっきまで隠せないほどの恐怖が顔に出ていたみんなとは全然違う。
満面の笑みで、この時間を堪能してる楽しそうなみんなが映っていた。
LINE画面を見たら、
さっき撮った写真とこんな言葉がw
『ひめがみん+αでお泊まり会中w』
クミさん流石ですw
そして即座についた既読に笑っていましたw
気づいたのはアイクさんでしたw
お菓子をつまみながら、
LINEの画面を見て、
またバカみたいに笑って、
こんな時間がずっと続けばいいのに…。
家が近くて本当に助かりました…w
ベランダ伝って行けば
自分の家へ帰れるというレベルw
すごいね、本当にw
ガチャ!
その後はさっきと同じ!
お菓子食べて、LINEの反応見て、
雑談する!(交代でお風呂!w)
明日起きれるかな…?
気がつけば夜の23時。
まぁ、まだ許容範囲だからw
ポキポキ♫
私は眠い目を擦りながら、
みんなで布団をひいて、
誰がどこにするかジャンケン!
|あちゃみ|ソーラ|クミ|しにがみ|
この順で仲良く並んで眠りにつきます。
今日は楽しいことはもちろんだけど、
怖い体験もしました。
でも、みんなといれば大丈夫。
心強くて頼もしい仲間といればきっと平気!
怖くないよ!
そんなことを思いながら、
静かに夢の中へと足を踏み入れていった。
明日は何の話をしようかな…
大事なこと?くだらないこと?
なーんてねw
to be continued…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!