第6話

生徒手帳
1,437
2020/04/22 16:43
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彼女に会ったのは、入学式の時だった。
俺はテヒョンアとジミナと一緒にいて、ユンギヒョン達をまってた。
そんな時に、テヒョンアとジミナがどこかへ行ってしまって、俺は1人階段を降りようとしてた時だった。
ダッダッダッダッ
ドンッ
ジョングク
ジョングク
った、
あなた

あっ、ご、ごめんなさい!!怪我しましたか!?

そんな声が聞こえて、見上げると、透き通るような肌に、大きな目、赤い唇、、
今まで、見たことのない美しい女性が立っていた。
ジョングク
ジョングク
……大丈夫です、
あなた

本当にごめんなさい、!ちょっと、急いでて!!ごめんなさい。

ジョングク
ジョングク
……あんたはd
あんたは大丈夫なの?なんて、柄にもなく聞こうとしたら、聞こえてきた声
ミンギュ
ミンギュ
あなた〜!!写真撮るって〜!
あなた

あっ、うん!!

そんな声に遮られて、彼女はその男の元へと走って行ってしまった。
去り際に
あなた

本当にごめんね、同い年か!ふふっ、高校生活楽しもうねっ!!

って、笑って言ってから。
テヒョン
テヒョン
あ、いたいたー!ジョングガ〜、お前何してんの〜
ユンギ
ユンギ
なんで階段に座ってんだ。行くぞ。あっちが俺らの溜まり場だ。
ジミン
ジミン
溜まり場なんてあるの!?
ホソク
ホソク
そんないいとこじゃないけどね〜ㅋㅋㅋ
ナムジュン
ナムジュン
秘密基地みたいなんだよ。俺は結構好きだけどな。
ジン
ジン
俺も好き!あそこいいよね〜
みんな、そんな話をしてた。
高校生活楽しみだとか、やりたい放題だぞ、と
か、いい女いるぞ、とか。
そんなの正直どうでもよかった。
ただ、俺の頭をよぎってたのは、あの可愛い笑顔の彼女だけだった。
名前も知らない彼女を、俺は今でも好きなのだ。
なんだろ、喋ったことないからかな。
今まで、抱いてきた女はまぁ、それなりにいい女ばっかりだった。俺、結構見る目あるし。テヒョンアとかと違って、誰でもいいわけじゃないから。
でも、一度も恋愛感情を持ったことがない。少なくとも俺が片思いなんて、生まれてこのかた一回もない。
そんな俺が、ただ階段でぶつかった女を好きになるなんて、どうかしてんだな。疲れてたんだな。
そう言い聞かせて、俺はまた今日も学校へ向かった。
リムジン内
ジョングク
ジョングク
なんか、学校おもんないな。
爺「ぼっちゃま、どうかいたしたんですか?」
ジョングク
ジョングク
別に、何もないよ。ただ、毎日同じことの繰り返しで、楽しいことなんて1つもないなー。なんて
爺「坊っちゃまには、6人のご友人がいらっしゃるのでは?」
ジョングク
ジョングク
ヒョン達は、好きだよ。ヒョン達といると落ち着くし。でも、面白くない。楽しいこと起きないし。
爺「では作ればいいのです。坊っちゃまならできますよ」
ジョングク
ジョングク
俺ならできるねぇ……
なんか、そんな言葉も聞き飽きた。
ジョングク
ジョングク
あ、今日帰りテヒョンアとジミナと新しくできたタピオカの店行くから、迎えに来なくていい。
爺「かしこまりました。どうぞ、坊っちゃま」
ジョングク
ジョングク
ん。
リムジンから降りると聞こえてくる黄色い声
本当うるさいな。毎朝毎朝。飽きないの。
上を見上げると、ふと外を覗いていた彼女と目があった。
……、なんか今日はいい一日になりそう。
たった目があっただけなのに、そう思える俺は単純だな。
テヒョン
テヒョン
どこ見てんの?
ジョングク
ジョングク
別に。
テヒョン
テヒョン
ふーん、てっきりグガの片思い中の女の子を見つけたのかと思った。
ジョングク
ジョングク
そんなわけないじゃん。てか好きじゃないし。
テヒョン
テヒョン
ふぅ〜〜ん。
ちょっとテヒョンアにムカついたけど、放課後、タピオカを奢らせることにした。
放課後
テヒョン
テヒョン
えっなんで!!
ジョングク
ジョングク
朝すっごいムカついたから。
テヒョン
テヒョン
えぇ〜!!ジミナァ〜!!グガが怖い
ジミン
ジミン
それは元からでしょ。てか早く行こ。お前金なんか何円使っても同じだろ?
テヒョン
テヒョン
うぅ〜……
俺達はそんな話をしながら店に入った。
席を取ろうと思って、座った場所に落ちていた俺達の学校の、生徒手帳。
中を開くと、そこにはその持ち主の写真と名前とクラスと、、、
個人情報だった。
そこに写っていたのは紛れもなく、俺の片思い中の彼女だった。
テヒョン
テヒョン
買ってきたよ〜って、それ何?
ジミン
ジミン
あ、本当だ。何それ?
ジョングク
ジョングク
……、生徒手帳
ジミン
ジミン
誰の?
ジョングク
ジョングク
イ・あなた
テヒョン
テヒョン
誰それ!!
ジョングク
ジョングク
……秘密
ねぇ、これは神様が俺にくれた、君に近づくためのチャンスだと思ってもいいのかな
俺、こんなチャンスを逃したくない。
君が、好きだ。

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