それからというものの、毎日のように四宮たまきは屋上にきた。
教室にいる時は四宮たまきのまわりには色んな人がいるのに。その人らと一緒に食べればいいのに。
だけど、この頃の私は四宮たまきが屋上に来ることに慣れかけていた。
別になかよくなったってわけではないけど、明らかに話す回数が多くなっていた。
「らんーーーー!頼みがあるんだけど!」
(相変わらず馴れ馴れしいな)
そう思いながらも私はこたえた。
「何?」
「勉強教えてくんない?」
「無理。」
即座に私はそう言った。
「えーーーなんでー?お願い!」
駄々をこねる子供のようにお願いしてきた。
「なんで私?他の子に頼めば?」
「頼める子居ないんだってば!なんでも奢るから!」
「、、、、、わかったよ、、」
「やったー!じゃあ今日の放課後!図書館で待ってるわ!」
正直自分がなんで了承してしまったのか分からなかった。
やっぱり断ろうと思ったけど、断るのすらめんどくさくてやめた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。