第9話

第3話 アクタイリズム
27
2020/01/26 10:38


――――――『地獄-無限地獄 煉獄の牢にて』








カツリ、カツリ、カツリ。

誰かの足音がゆっくりとこちらへと近付いてくる。
??
……。~♪

その足音を聞きながら俺は鼻歌を漏らしていた。
やがて、その足音の人物は俺の牢獄入口付近まで来た。

そして、

ガシャン、ガシャン。

ガシャ…ダンッッ!!!!

鉄格子を開けようと試みる音の後に
もの凄く大きな金属の破壊音が響くように耳から聞こえた。





??
…………!
??
やぁ、いらっしゃい♪ルーシィ
挨拶にしちゃあ派手だねぇ
??
何の用かな〜♪
あ、もしかして俺とお話でもしに来たとか??
ルシギニア
ルシギニア
うるせぇ、黙ってろ“イグニス”
イグニス
イグニス
およ?じゃ、何しに来たの??ここは、無限地獄の牢獄。
君みたいな上界の天使がくるとこじゃないよォ?
ルシギニア
ルシギニア
だから、黙れって言ってんだろ。
イグニス
イグニス
で、本当は?
ルシギニア
ルシギニア
…チッ。分かってるだろうに…
イグニス
イグニス
〜♪なんの事かなぁ〜
ルシギニア
ルシギニア
………チッ。
ルシギニア
ルシギニア
お前の、力を貸せ。イグニス
イグニス
イグニス
ぇえ、捕まってる俺にそれ言う?
ルシギニア
ルシギニア
……チッ。
イグニス
イグニス
ちょい、舌打ち多いって!
ルシギニア
ルシギニア
言い方を変える、俺を助けろ。
ルシギニア
ルシギニア
『──のサタン』イグニス・パプガス
イグニス
イグニス
……へぇ。
イグニス
イグニス
ふふ、そんな懐かしい称号なまえ…何処で聞いたのかなぁ…??
イグニス
イグニス
まぁいいや、助けてあげるよ!ルーシィ!
ルシギニア
ルシギニア
…………ほぅ。
イグニス
イグニス
ぇえ…何その顔絶対対価狙ってんだろ?みたいな顔……。
まぁ、そう思ってくれても俺は構わないよ。
別に対価云々じゃないから。
ルシギニア
ルシギニア
はぁっ!?
イグニス
イグニス
君は、俺の大切な友達だからね。
イグニス
イグニス
友達の頼みに対価だの見返り云々なんていらないよ〜♪
ルシギニア
ルシギニア
友達ぃィ?!
ルシギニア
ルシギニア
いつ、どこで!誰が、お前と!
友達になった…!?!
イグニス
イグニス
昔、精霊樹の下で眠っていたルーシィをイタズラした時
ルシギニア
ルシギニア
お前と仲良く友達になった覚えはない、後その呼び方やめろ!


ガシャン、ガシャン


と、ルシギニアは鎌で鉄格子を叩き八つ当たりした。
照れ臭いツンデレなのか、ガチで驚いているのか俺は別にどっちでもいいと思う。
だって、どっちにしろ面白いからねぇ~♪

イグニス
イグニス
照れ隠しすんなよぉー嘲笑(笑)
ルシギニア
ルシギニア
……いい加減にしねぇとぶっ殺すぞ……。
イグニス
イグニス
うわっ、コッワ(笑)。
天使きみから、殺すだなんて単語…受ける(笑)
イグニス
イグニス
殺せたらいいね…。“本当”に殺せるんならね……。
ルシギニア
ルシギニア
ァあ?
イグニス
イグニス
何でもない。よしじゃあ、契約の下準備をしよう






――――――――――――――――――――――――――――――――――






ルシギニア
ルシギニア
これだけでいいのか。
イグニス
イグニス
あぁ、いいよ十分に事足りる
硬い岩の床に、契約用の準備した物等が置かれている。

左側から、順に

俺が付けていた、紙切れ

ナイフ

火がついたロウソク

イグニスはふと、ナイフを手に持ち契約の手順を進めた。
自分の手を少しだけ切り、紙の上にポタリと血を垂らす。

さらに、そこに契約の紋章を描き、使ったナイフを火で少し炙りイグニスは自分の首筋にナイフを当て契約の印である十字架の印を刻んだ。

ジュゥウ

と、肉の焼ける匂いが微かに仄かに鼻にきた。
焼けた匂いが少し空気に混じる。
やがて、その匂いは無臭へと変わる。

イグニス
イグニス
さぁ、ルーシィ髪の毛少し頂戴。
ルシギニア
ルシギニア
あぁ。
イグニスが俺の前に左手を差し伸べる。
俺は、自分の髪をスッと1本抜き取りアイツのイグニスの左手に渡す。
イグニスはその髪を受け取り、契約の紋章を刻んで血塗れになった紙へ俺の髪を紋章の真ん中へと置いた。






そして、契約の呪文を唱え始めた。







イグニス
イグニス
我、堕天の王。悪魔…イグニス
契約に誓い、汝…四大天使、ルシギニア
イグニス
イグニス
イグニス
イグニス
あっ、ごめーん(笑)今はしがないフリーダム天使になっちゃったっけ?


シュッ


俺は、瞬時にイグニスに向けて鎌を槍の形に変え放り投げた。

ドスッ

イグニスに投げたつもりが、頬を擦れるだけで後は壁に槍が突き刺さっただけだった。
イグニス
イグニス
………ヒェッ……。ごめん。ナンデモナイデス。
ルシギニア
ルシギニア
次、余計な事言ったら顔面だ、いいな?
イグニス
イグニス
サーセンデシタ……。ちゃんとした契約の呪文言います。







イグニス
イグニス
トゥライゴ・リュー・ロォウェン・メドゥカル・ウィザァー・サタン
イグニス
イグニス
我、探求の王**の悪魔…イグニス。
契約に従い…汝、孤独なる殺戮の四大天使フリーダムなただのシスコンルシギニア。
今、ここに誓約の証よ光出さん。
そうイグニスは呪文を唱えた。(何か、引っかかるような単語が聞こえたのは俺の気の所為だよな?)

呪文の詠唱が終わると、契約の紙に置いた微かな俺の髪が燃え契約書の紋章が赤黒く鮮明に光る。
これにて契約完了だ。
あまり、実感はないがな。

イグニス
イグニス
はーい、完了♪
イグニス
イグニス
ちな、その紙は持っといてね。ルーシィの血くっつけて呪文唱えたら俺召喚されるようにしてあるからさ。
ルシギニア
ルシギニア
はっ?俺は、“力を貸せ”と……。
イグニス
イグニス
………勿論、力は貸すよ。だけどさ、勘違いするなよ。
イグニス
イグニス
俺は、便利、万能じゃない。
イグニス
イグニス
ここから、出なきゃ無力に変わりないんだから。
ルシギニア
ルシギニア
はっ、なんだそういう事か。
イグニス
イグニス
ムッ?

そんな事、最初から分かっているさ。
だったら、何もなく此処へお前に“力を貸せ”だなんて言うわけないだろうが。

だから、俺は
イグニスに向かってある用紙を突きつけ口角を少し上げ笑う。

ルシギニア
ルシギニア
さぁ、出ろイグニス。お前は今日から長ーい、長ーい仮釈放だ。
イグニス
イグニス
はぇー。ま、まさかの、、仮釈放書とは……。
普段驚かない俺も吃驚。
イグニス
イグニス
何手助けして欲しいか知らないけど、ガチだねぇ〜♪ルーシィ。
ルシギニア
ルシギニア
うるっせぇ、さっさと出て働けクソ悪魔。
イグニス
イグニス
はーい。
先程、入る時に壊した鉄格子の扉を元に戻し無限地獄の出口へ2人で歩き出す。



そうして2人は無限地獄、煉獄の牢を後にした。






********************






シノ
シノ
ちょっとー宗時君聞いてる、僕の話?
大神宗時
大神宗時
聞いてるって……。
シノ
シノ
なんで、拗ねてんの〜。
大神宗時
大神宗時
別に。
シノ
シノ
えぇ、そんな顔して別に。って。えー、絶対拗ねてるよね?
シノ
シノ
華緒ちゃんも、そう思うでしょ??
夢栄華緒
夢栄華緒
…そうね、少しいつもよりツンとしてる。
シノ
シノ
ねぇー。
シノ
シノ
そして、華緒ちゃん。僕と付き合って〜♪
夢栄華緒
夢栄華緒
何度言えば分かるの。断るわ。
シノ
シノ
ちぇ〜。
大神宗時
大神宗時
………。
夢栄華緒
夢栄華緒
………。
シノ
シノ
………。何、この空気…。
シノ
シノ
(やべぇ、急募:ふたちゃん。
あ、てかふたちゃんまだ紹介してないじゃん!意味無い!つっかえねーw)
シノ
シノ
……そ、そう言えば!僕学校に忘れ物があったような、無かったような……。
取りに行ってくるっ!
気まず空気からすかさずシノはピューと逃げるように2人から離れる。



夢栄華緒
夢栄華緒
あら。
大神宗時
大神宗時
あ、逃げた。
夢栄華緒
夢栄華緒
本当、彼って何したいのかよく分かんない。
大神宗時
大神宗時
そうだね。
そう言って僕は、シノが逃げ去った方向へ目を向ける。
本当に自由奔放な奴だなぁ。
まだ、死神だって事も疑っているし…。
何より、アイツ。
本来の目的と趣旨がズレている気がするし。

大神宗時
大神宗時
シノはほっておいて帰ろ、華緒。
夢栄華緒
夢栄華緒
うん。



数分後



大神宗時
大神宗時
着いたよ、華緒。
鍵持ってない?
夢栄華緒
夢栄華緒
宗時は持ってないの?
大神宗時
大神宗時
あぁ、僕今日急いで出たからね忘れたんだよ。


「仕方がないわね」と言った顔で華緒はバックから鍵を取り出し鍵穴へと差す。

ガチャリと玄関の扉を開き2人で夢栄家の中に入り玄関を閉めた。



バタン。



優子さんがいるリビングに向けて2人で『ただいま』と帰ったことを知らせた。


そして、自分は部屋の中へ荷物を置いてベットへと倒れ込む。





この後数分後、僕はこれ以上のない頭の痛い話をシノから聞かされることになる。
まだ、この時は知らないけれど。




********************





2人が家に入った直後
シノが空間の中からひょっこりと現れる。
シノ
シノ
やっぱ、“人間”って難しいね。
シノ
シノ
いやそんな事言ってる場合じゃない、連絡来てるんだった。
歪んだ空間から腕を突っ込んでガサガサと探す。
そして、ある物を掴み取り出す。
それは、某水晶玉。
水晶玉が少し光りとある人物の顔を映し出す。

その人物は、

シノ
シノ
もしもーし、ふたちゃんー!
二神
二神
『…シノ。』
シノ
シノ
あれ?なんか怒っt……。
二神
二神
『お前ぇえ!仕事サボって何してんじゃア゙ア゙ア゙!!!』
シノ
シノ
ひぐぃっ!
二神
二神
『今すぐ、首掻っ切って死んで社畜になれやコラァァァァァ!!!!!!』
二神
二神
『と、言いたいところだが連絡だ、シノ。』
シノ
シノ
はい……。
二神
二神
『神々からのお呼び出しだ。早急に天界へ行け。』
シノ
シノ
うへぇ、お呼びかぁー。
シノ
シノ
りょーかい。
二神
二神
『シノ』
シノ
シノ
何?
二神
二神
『いや、何でもない。』
シノ
シノ
ふぅーん。じゃ僕、天界行くからふたちゃん。
シノ
シノ
あとさ、気を付けてね。
そろそろ“愚者アイツ”が動く頃だと思うから、現状注意。
二神
二神
『あぁ。じゃあな。』









ふたちゃんとの通信を終え、水晶玉を元に戻す。
ふぅ。
お呼び出しかー。
てことは……。ジジィいるかもな…。
空間使ってワープするのもいいけど、最近使いすぎてるからなー。
『門』の辺りまで徒歩で行こうかな。
とりあえず、人間モードを解除して誰も視えないから行きやすくなるなうむうむ。

など、考えながら住宅地を歩いていると“人”とぶつかった。

ぶつかった“人”はフードを深く被っていて顔はよく見えないが何か異様な雰囲気を出しているようだった。

シノ
シノ
ごめんなs……。
??
へぇ、君面白いね。死神かな?
謝ろうとした僕は男が小声で呟いて笑った事に気付いた。
そして、それ以外の事にすぐ気付いた。
今の僕の姿は“人間には視えない筈”と。
ならば、この男は?


結論は簡単だ。
『人外』だ。


シノ
シノ
小声でブツブツ何言ってるか分からないなぁ〜お兄さん病んでる人かなぁ??
??
あはっ、これは失礼。
??
思わず思っていることが口に出てたみたいだ。
??
ハロー、“仮面被りの死神”さん。
イグニス
イグニス
俺は、イグニス。
ちょいとぶらついてるただの悪魔だよ。







to be continued……




********************







あとがき。





すいまっせんしたぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
半年も放置しておりました!
誠に!申し訳!ない!

忙しい(受験生)のと、イグニスさんの契約用呪文悩んでてそのまま、呆気なく……半年……。

何やってんだよほんとに……。
ごめんなさい。ごめんなさい。

いやほんと、もう少しで卒業テストあるし私立受験もあるし色々わー嫌だァ!!!

ほんとに…ごめんなさい。



(仕切り直して)


イグニスパイセンちっす!ちっす!


そういえばこの『726回の嘘』と別の方の小説『グリフォンの勇者日記』があるんですがは実は結構繋がっている(予定な)んですよ!
グリフォンが過去で726回の嘘が現代みたいな?だがしかし、関わりがあるのはとあるあの人とある方達。


*急な話726回の嘘で推しは?
と聞かれましたら
シノ君ってズバリ言いたいけど…!
くっ!
イグニス…かな……。ぐっ。
絞れん。
ん、とりあえずモブとクソ以外好きですよ。
モブ爺……すまんな、名前ない。

単体も好きですが、コンビとかトリオも好きっす。
幼馴染メンバー(シノ,二神,ジジ)
凸凹コンビ(ルシギニア,イグニス)
三種族降臨略して、三降トリオ(シノ,イグニス,イグニス)
白黒組(宗時,ルシギニア,シノ,イグニス)


長いな、サーセン。

そいでは、あとがきはここまで。


久しぶりの次回予告いっくよぉ〜!



イグニス
イグニス
ハロハロ〜♪俺だよぉ〜!
ルシギニア
ルシギニア
俺もいる。
シノ
シノ
僕もいるよー
イグニス
イグニス
いっやぁー、俺半年も待たされてんの苦だわ。
ルシギニア
ルシギニア
俺だって、半年前と出番変わらない位少ない。
シノ
シノ
僕は別にー、変わりないかなぁ。
イグニス
イグニス
腹立つー
ルシギニア
ルシギニア
まぁ、メインだからな。
シノ
シノ
そゆこと。ま、主人公の懐ベスポジよ。
イグニス
イグニス
本来の主人公と違うのにねぇ〜♪皮肉ー。
ルシギニア
ルシギニア
けっ。そろそろ次回予告しねぇと主が目疲れで死ぬぞ?
イグニス
イグニス
そうだねぇ〜♪はーい、どうぞ!“仮面被りの死神”さん。(^^*)
シノ
シノ
はぁっ!?何?!仮面被り??
イグニス
イグニス
早く言わないとー
ルシギニア
ルシギニア
………イグニス。お前も仮面被ってるよな。
イグニス
イグニス
ふぇっ?!えっ、俺は元からこういうキャラだよ?
シノ
シノ
あぁあ!もう!言えばいいでしょ!
シノ
シノ
次回!
シノ
シノ
憤怒の心臓!
イグニス
イグニス
ゲッ
シノ
シノ
えっ、ちょっ。え、何その反応。





続く。



(※誤字がありましたらお知らせください)


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