――――――『地獄-無限地獄 煉獄の牢にて』
カツリ、カツリ、カツリ。
誰かの足音がゆっくりとこちらへと近付いてくる。
その足音を聞きながら俺は鼻歌を漏らしていた。
やがて、その足音の人物は俺の牢獄入口付近まで来た。
そして、
ガシャン、ガシャン。
ガシャ…ダンッッ!!!!
鉄格子を開けようと試みる音の後に
もの凄く大きな金属の破壊音が響くように耳から聞こえた。
ガシャン、ガシャン
と、ルシギニアは鎌で鉄格子を叩き八つ当たりした。
照れ臭いツンデレなのか、ガチで驚いているのか俺は別にどっちでもいいと思う。
だって、どっちにしろ面白いからねぇ~♪
――――――――――――――――――――――――――――――――――
硬い岩の床に、契約用の準備した物等が置かれている。
左側から、順に
俺が付けていた、紙切れ
ナイフ
火がついたロウソク
イグニスはふと、ナイフを手に持ち契約の手順を進めた。
自分の手を少しだけ切り、紙の上にポタリと血を垂らす。
さらに、そこに契約の紋章を描き、使ったナイフを火で少し炙りイグニスは自分の首筋にナイフを当て契約の印である十字架の印を刻んだ。
ジュゥウ
と、肉の焼ける匂いが微かに仄かに鼻にきた。
焼けた匂いが少し空気に混じる。
やがて、その匂いは無臭へと変わる。
イグニスが俺の前に左手を差し伸べる。
俺は、自分の髪をスッと1本抜き取りアイツのイグニスの左手に渡す。
イグニスはその髪を受け取り、契約の紋章を刻んで血塗れになった紙へ俺の髪を紋章の真ん中へと置いた。
そして、契約の呪文を唱え始めた。
シュッ
俺は、瞬時にイグニスに向けて鎌を槍の形に変え放り投げた。
ドスッ
イグニスに投げたつもりが、頬を擦れるだけで後は壁に槍が突き刺さっただけだった。
そうイグニスは呪文を唱えた。(何か、引っかかるような単語が聞こえたのは俺の気の所為だよな?)
呪文の詠唱が終わると、契約の紙に置いた微かな俺の髪が燃え契約書の紋章が赤黒く鮮明に光る。
これにて契約完了だ。
あまり、実感はないがな。
そんな事、最初から分かっているさ。
だったら、何もなく此処へお前に“力を貸せ”だなんて言うわけないだろうが。
だから、俺は
イグニスに向かってある用紙を突きつけ口角を少し上げ笑う。
先程、入る時に壊した鉄格子の扉を元に戻し無限地獄の出口へ2人で歩き出す。
そうして2人は無限地獄、煉獄の牢を後にした。
********************
気まず空気からすかさずシノはピューと逃げるように2人から離れる。
そう言って僕は、シノが逃げ去った方向へ目を向ける。
本当に自由奔放な奴だなぁ。
まだ、死神だって事も疑っているし…。
何より、アイツ。
本来の目的と趣旨がズレている気がするし。
数分後
「仕方がないわね」と言った顔で華緒はバックから鍵を取り出し鍵穴へと差す。
ガチャリと玄関の扉を開き2人で夢栄家の中に入り玄関を閉めた。
バタン。
優子さんがいるリビングに向けて2人で『ただいま』と帰ったことを知らせた。
そして、自分は部屋の中へ荷物を置いてベットへと倒れ込む。
この後数分後、僕はこれ以上のない頭の痛い話をシノから聞かされることになる。
まだ、この時は知らないけれど。
********************
2人が家に入った直後
シノが空間の中からひょっこりと現れる。
歪んだ空間から腕を突っ込んでガサガサと探す。
そして、ある物を掴み取り出す。
それは、某水晶玉。
水晶玉が少し光りとある人物の顔を映し出す。
その人物は、
ふたちゃんとの通信を終え、水晶玉を元に戻す。
ふぅ。
お呼び出しかー。
てことは……。ジジィいるかもな…。
空間使ってワープするのもいいけど、最近使いすぎてるからなー。
『門』の辺りまで徒歩で行こうかな。
とりあえず、人間モードを解除して誰も視えないから行きやすくなるなうむうむ。
など、考えながら住宅地を歩いていると“人”とぶつかった。
ぶつかった“人”はフードを深く被っていて顔はよく見えないが何か異様な雰囲気を出しているようだった。
謝ろうとした僕は男が小声で呟いて笑った事に気付いた。
そして、それ以外の事にすぐ気付いた。
今の僕の姿は“人間には視えない筈”と。
ならば、この男は?
結論は簡単だ。
『人外』だ。
to be continued……
********************
あとがき。
すいまっせんしたぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
半年も放置しておりました!
誠に!申し訳!ない!
忙しい(受験生)のと、イグニスさんの契約用呪文悩んでてそのまま、呆気なく……半年……。
何やってんだよほんとに……。
ごめんなさい。ごめんなさい。
いやほんと、もう少しで卒業テストあるし私立受験もあるし色々わー嫌だァ!!!
ほんとに…ごめんなさい。
(仕切り直して)
イグニスパイセンちっす!ちっす!
そういえばこの『726回の嘘』と別の方の小説『グリフォンの勇者日記』があるんですがは実は結構繋がっている(予定な)んですよ!
グリフォンが過去で726回の嘘が現代みたいな?だがしかし、関わりがあるのはとあるあの人とある方達。
*急な話726回の嘘で推しは?
と聞かれましたら
シノ君ってズバリ言いたいけど…!
くっ!
イグニス…かな……。ぐっ。
絞れん。
ん、とりあえずモブとクソ以外好きですよ。
モブ爺……すまんな、名前ない。
単体も好きですが、コンビとかトリオも好きっす。
幼馴染メンバー(シノ,二神,ジジ)
凸凹コンビ(ルシギニア,イグニス)
三種族降臨略して、三降トリオ(シノ,イグニス,イグニス)
白黒組(宗時,ルシギニア,シノ,イグニス)
長いな、サーセン。
そいでは、あとがきはここまで。
久しぶりの次回予告いっくよぉ〜!
続く。
(※誤字がありましたらお知らせください)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。