ふかふかのベッドだった。霊夢の貧乏屋敷の布団よりずっとふかふかのベッドだった。余りにも気持ち良すぎて、二度寝してしまう程に。
夢の続きみたいな幻聴が聞こえるが、知らない事にする。気持ちいい。こんな熟睡したのは何年振りだ?
鼻を摘まれてやっと霊夢は起きた。目の前に金髪の女の子がいた。ほぼ押し倒すような格好で。
魔理沙__________。あのゲーム、「クリムゾンアパート」の後も何度かゲーム内で会って、名前を聞いた。こんな事をするのが魔理沙だけだと分かっていても、鼻を摘まれた衝撃や、ほぼ押し倒されている羞恥は拭えそうにない。
一応言っておくと、例のゲームで言っていた「師弟関係」とやらは行っていない。友人、のような枠組みの中に収まっている。
その報告はちょっと嬉しいが…平常を取り繕って口にする。
そんな軽口を叩き合う。流石に押し倒す格好にはなっていなくて、二人でベットに座って話し合っている風だ。__________ごもっとも、それこそまるで「事後」のようだが。
にしてもこの洋館はなんだろう。なんというか、凄く紅い。目がチカチカするような赤じゃない。落ち着いていて、でも幽霊屋敷みたいな不気味さを感じさせる「紅」。紅魔館だ、と勝手に命名する。
ニヤニヤしながらそういう魔理沙になんだか腹が立ってきて、霊夢は枕を投げつけた。
大きな広間だった。そこには色とりどりの女の子が七人いた。
銀髪碧眼の、賢そうな女の子だった。メイド服で、こんな館で働いてるんだろうな、といった風貌だった。
今度は、先程とは打って変わってなんとも弱々しそうな女の子だった。青紫髪に、この洋館のような紅い目。ただ、半泣きだし、なんか騙されてゲームに参加させられたっぽかった。
今度はツンケンした女の子だった。姉、と言ったレミリアとは対照的な金髪。姉妹でだいぶ違うもんだな、と霊夢は思った。ただ、紅い目はよく似ていた。
燃えるような赤髪だった。ゲームは三回目らしいが、なんか雰囲気がそれっぽくなかったので、借金かな、と思った。近いうちに引退しそうである。
無口な女の子だった。綺麗な紫の髪に、眠たそうに半眼だけ開けている目。ゲーム回数こそ言わなかったが…この世界で生きている、という気配を感じ取った。きっと魔理沙も感じてる。
全員の自己紹介が終わり__________ゲームは幕を開ける。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。