数年後 ______.
今日、女性が移動してきた。
恐らくこれから副隊長くらい
の実力者になる人物…たぶん。
でも、移動の理由がかなり
濁されていたから怪しい。
噂では死神とか呼ばれてるし…
まぁ…いいか。
いざとなれば、京都に逃げよう。
…たぶん上からの命令。
このふにゃふにゃ隊長なら
まだ少しは私と組ませることに
少しは悩んでくれたはず。
でも、移動通知書に書いてあった
責任者は見たことない名前…
まーじで、誰っすか。
どこの誰ですか、ってか人事異動
とかあんま聞かないですけど、
本部の方なんですか??
まぁ…移動してきたのは
私も同じ、珍しくはないか。
…紫野、ね。
この人の印象が変わったのは
午後、緊急で入った任務のとき。
私の能力名は枝垂れ雪。
木から落ちる、重い雪のこと。
同じ鬼にも、桃にも、
人間でも悪影響になる確率は
90%以上だった。
だから…遠慮して戦ってた。
それに気づいたのか、
急に目の色が獣みたいに
鋭くなってた。野生そのもの。
目を閉じた瞬間、
紫野さんが手を握った。
もちろん、すぐ振り払った。
怒りたかった。
馬鹿じゃないのって。
…でも、なぜか紫野さんは
普通に立っていて、余裕も
あるように見えた。
意味わかんなかった。
頭の中はハテナマークでいっぱい。
残りの10%のマイノリティに
久しぶりに出会えた。
私の能力に耐えられて、
自分の能力も問題なく使える鬼。
厳密には、私の能力は幻覚を
見せることじゃなくて治療。
ただし、強力だけど副作用も超強い。
…現在進行形で紫野さんの
腕にできた切り傷から流れた
血が固まり始めている。
私の能力が弾かれてはいない。
ただ、紫野さんの体が適応した。
ここまで完璧な相性は初めて。
…あぁ、いけるな、この人なら。
楽に、早く…終わらせられる。
この至近距離にいようが、
恐らくほぼ無傷で決められる。
…超広範囲の技。
能力の中でも最大クラスの
幻覚作用が広範囲で強く出る。
学生以来初めて使ったけど、
威力は落ちてなかった。
むしろ、上がっている。
でも予想通り…紫野さんは
ピンピンしていた。
これ、無陀野にもほんの少し
効いたんだけどな…
まぁ、それがあったから使用を
自粛してたんですけれども。
本当に面白い人だった。
姉ちゃんにも会わせてあげたい。
久しぶりに京夜にも会いたい。
メールと通話はもう飽きた。
…私って、もしかして
面倒くさいタイプの寂しがり屋?
_____ . _____ . ______
6月2日 . はじめて先輩ができた日
______ . _____ . ______













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。