第11話

それぞれの考え方
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2025/04/14 09:29 更新
一青零兎
一青零兎
…まぁ…ゆ、柚月…ちゃん。
先生の情緒がおかしい。というか泣いている。ポロポロと。少し怖いが先生がずっと不本意ながら生徒を騙し続けてきていたとなれば気持ちが分からなくもない。先生の記憶がなんで私の記憶にあるのかは分からないけれど…
花咲柚月
花咲柚月
な、泣かないで…ください…
慰めたいという気持ちとまだなにかしてくるかもしれないという気持ちと先生ってこんなんだっけという気持ちが複雑に絡まりあって、自分の気持ちがよく分からない。
ガチャ
扉から先生が言う"先輩"という人が来た。
花咲柚月
花咲柚月
え、えと、こんにち…
先輩
先輩
一青くん?
私の声を遮って先生に話しかける。少し圧迫的なその声に少し嫌な予感がした。そしてこの"先輩"という人はそこまで好きじゃない。というか嫌いまであるほどだ。先生もそう思っているのではないか…少なくとも好感はもっていないだろう。
一青零兎
一青零兎
あ、せ、先輩…っ?!
何故かすごく焦っている。さっきも来ていたのにさっきとは比にならないほどに焦っている。泣いている所を見られたからだろうか?それともまた別の理由が…?
一青零兎
一青零兎
ぁ…
花咲柚月
花咲柚月
先生!!
先生が急に倒れた。多分、"先輩"の仕業なんだろう。そうなのであれば何故なのか…?"先輩"と先生は味方どうしなのでは無いのか…?私はその光景を目の当たりにして、助けることも逃げることも出来なかった。
先輩
先輩
…君が柚月って子だったのか。はぁ、一青くんは"こっち側"だから道場したらダメなのに…
"先輩"は先生の私に同情しているというところがいけないと思っているのか?それはダメな事なのか…?同情するくらい…仕事をしているのであればいいのではないか…?
一青零兎
一青零兎
…せ、せんぱ……
先生が何とか声を出している。こんな姿を私は見た事がなかった。先生はなんでも出来るイメージがあった…けれど今は… 
一青零兎
一青零兎
っ…
先生がさっきまで意識があったのにも関わらず、急に意識を失ったようにグダッとなってしまった。
花咲柚月
花咲柚月
ぁ…ぇ……?
私はびっくりしすぎて声が出なかった。だからといって逃げることも出来なかった。ただ、目の前で起こったことの処理がどうも追いつかなくて、そして信じられなくて立ち尽くすことしか出来なかった。
先輩
先輩
……
"先輩"何も言わなかった。そして気づくと力が入らなくなって———
一青零兎
一青零兎
……っ。
しくじった。油断した。柚月ちゃんは…居ない。ここはどこだ。何年もここにいるがここには来たことが無さそうだ。先輩……あずま先生は少し不思議な感じがして抵抗が上手くできない……もしかしたら俺だけ記憶があるから抵抗出来ないのかもしれないが……まぁいい。とりあえず柚月ちゃんを…!……なんで俺は柚月ちゃんを探しているのだろうか。別にこれから関わらない可能性だって……いや、ここまでやったら最後まで見届けよう。何か。何か分からないけれど柚月ちゃんは他の子とは違う気がする。
一青零兎
一青零兎
えーと…?
扉を開けると通路があった。キョロキョロしているとここはさっきまで俺がいた場所の隣だと気づいた。
一青零兎
一青零兎
なら、ここに……?
さっきまで俺らがいた。柚月ちゃんがいたところに、まだいるかもしれない。
一青零兎
一青零兎
柚月……ちゃん……
予想通り柚月ちゃんがいた。だが気を失っている。そして……
先輩
先輩
一青くん。早いね。
一青零兎
一青零兎
……
東先生もいた。だがここでは"先輩"だ。大抵の人は記憶がなくなっていて、先輩後輩の関係ということになっている。東先生は俺が元生徒だったことを知らない……いや、忘れている。だから余計に、先生と呼べない。下手に記憶を戻させられない。
先輩
先輩
…柚月って子の記憶消しておいた方が無難だと思うんだよねぇ。どう?
一青零兎
一青零兎
あ……そ、それはっ。
このままだと柚月ちゃんの記憶が消されてしまう。一回消されかけていることから要するに、もう次はないだろう。もう、耐えられることは……
一青零兎
一青零兎
お、俺が面倒見ます。……なんで、ほ、ほっといてあげてください。
こうするしか、もう、柚月ちゃんが助かる道はないんだと思う。そして、少しでもここに来るのが遅れていたら柚月ちゃんの記憶は消されてしまっていたんだと思う…
先輩
先輩
ふーん……
そう言うと東先生はドアから出ていった。柚月ちゃんはまだ起きそうにない。まぁ、一日に三回も気を失ってると疲れるか……というか今はもう早朝だ。夜中から一回も寝ずにこんなことしているんだ。
一青零兎
一青零兎
ベットに寝させてあげるか…
たぶん。柚月ちゃんからしたら嫌われているんだろうな。他の子達もそうだった。俺を殴ったり罵るような目で見たり……まぁそんなものだよな。自分を危険な目にあわせる人にそんな好感なんてもてるはずもない。
一青零兎
一青零兎
俺も眠いや
流石に大人になっても眠いものは眠い…でもベットは一つ。普段なら別の部屋で寝るが東先生に何されるか分からない。となると柚月ちゃんの近くにいて異変に気づけるようにした方がいい……
一青零兎
一青零兎
仕方…ないのか?
そんなことを考えながら柚月ちゃんを端によせ少し離れて同じベットに横たわる。と言っても同じベットに寝ている時点でアウトなきがするが。
一青零兎
一青零兎
先に起きれば…いいはず…
俺は案外疲れていたのかすやぁと眠りに着けた。

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