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第20話

使えない言い訳
その日の夜、私は友達から次々来るメッセージの返信に追われていた。



" やっぱりいとこじゃないじゃん!笑 "

" 今度私にもイケメン紹介してよ! "



そんな友達へ、私は " ただの友達で付き合ってはないから! " と返すのに精一杯。

到底、うちの猫だよ…とも言えず。言う気にもなれない。



そんな中、また一件のメッセージが届いた。



" あの金髪とはやっぱり付き合ってたんだ "



………これは永瀬くんだ。永瀬くんとは初めてメッセージでやりとりをするけど、届いたのはただこの一文だけ。

もしかしたら、永瀬くんは私を嘘つきだ、と思ってしまってるかもしれない。

どうしよう、せっかく仲良くなれたのに。
もう猫の話だって、出来なくなるのかもしれない。ミーシャちゃんにも、会えなくなるかもしれない。

そう考えると、怖くなって。でも私は返信が返せない。変なことを言って、本当に私のことを軽蔑しちゃうかもしれないから。




握りしめていた携帯を置き、私は、ため息をつきたいのを我慢してベッドに体を預ける。

エーシュカはリビングにいるみたいで、部屋の中はチク、タク、とただ時計の音が聞こえるだけ。


" 俺の好きな奴 "




あの言葉、思い出しただけでも頭がおかしくなっちゃいそうで。
まさか自分が大事にしていた猫に、そんなことを言われるなんて。

ああでもそっか、エーシュカは他の猫とは違って、昔から人間の言葉や感情がよく分かっていたんだ。

でも私、エーシュカに好きになってもらうような容姿は、持ってないし、なぁ…

聞き間違え……はないか。頭にキスされたことははっきりと覚えているし、まだその時の感覚が残っている。触れられた手の感覚も、全部。


「どうしたら、いいのかな…」


私が吐いた言葉は、行くあてもなく、ただ音になって消えていく。
何に対して、私がどうしたらいいのかと悩んでいるのか、自分でもうまく言い表せられない。

もし、エーシュカが猫じゃなくて普通の人間だったら?永瀬くんみたいに私のクラスメイトだったら?

こんなこと考えるのは、間違っているかもしれない。

でも、私の心の中でエーシュカへの気持ちが前と変わっていっているのは……確かだった。紛れもない、事実だった。


ちゃんとあの時の言葉の意味を、エーシュカに聞かなきゃ。ちゃんと説明してもらわなきゃ。

誰にも相談できないからこそ、自分自身を受け止めないといけない。



自分の気持ちを、認めてあげないといけない。

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