そんな色んな事件がありながらも俺たちは色んな屋台を行き回っていた。
咲希と海斗の事情は話してもらった。
……もちろん説教したけどな。
そして、花火の時間が来た。
「打ち上げ花火楽しみー!」
「もう2度とあんな事すんなよ」
「はぁ〜い…」
「だから僕はやめるのがいいって言ったんですよ、。」
「君も共犯者なんだからね!」
「えぇ…」
「はい、もおこの話終わりー。」
ほんと…この二人はいつも騒がしいなw
そんな時に___
ドンッと大きな打ち上げ花火が上がった。
「綺麗だな…」
「そうだね…大きい…」
「……"いい写真撮れたよ!"」
「ん?おお!まじか!すげえ…!って…え?」
「どうしたのー?」
「僕にも見せてください!」
「"これはダメ!!蓮だけ!!"」
「えー、なんでー…」
「まぁ…それなら仕方ないですけど…。」
奏音が撮った写真にはもちろん花火が映っていた。
けどその写真には……
この俺も映っていた。
奏音はこの写真を俺に見せる時、満面の笑みだった。
なんだか…顔が熱い気がする。
「あれ…蓮顔赤いよ?」
「はぁっ!?……花火の光のせいだし…」
「ほんとにー?w」
「ほんとだっての!」
顔が、赤い…?今の俺が…?
俺は何となく奏音の横顔を見た。
「っ……」
奏音の顔も…赤かった。
それこそ花火の光のせいだったのかもしれない。
けど…そうじゃないことを…願いたい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。