コンビニに着いた。
一目散に薬のコーナーに向かう。
目当ての薬を手に取り、俺はレジに足を運んだ。
速やかに会計が終わりコンビニを出ようとする。すると背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
その声の正体は、中学のころ同じクラスで仲の良かったねおちゃんだった。
頭に藤枝の顔が浮かぶ。
…まあ、大丈夫だよな。少しの間俺がいなくても。
楽しそうな笑顔で歩き出すねおちゃんをうしろから追いかける。
ねおちゃんについていき、着いた場所はねおちゃんの家だった。
中に入ると、そこには数人がすでに集まっていた。何人かは顔を見たことある人もいた。
俺は、そんな他愛のない会話をして楽しいひと時を過ごしていた。
何時間かたったころ、ふと頭に藤枝のことがよぎる。大丈夫かな。
そう言って俺は連絡先を開き、藤枝に電話をかけた。
プルルルルルル、プルルルルルル…
そう言ってあっちから電話を切られた。
なにか言いたそうな感じだったけど、まあいっか。
みんなで盛り上がるこの時間は楽しい。
やっぱり、藤枝といる時よりみんなでいる時の方が楽しくて充実してるかも_____
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。