泣いている?私が?
頬には一滴の涙がつたっていた。
何かを察したのか怜央が誰も居ない公園に向かう。
それに黙ってついていった。
今更後悔したって遅い。
明日は学校を休もう。
いや、もういっそ不登校になってしまおうか。
...そんなことをしたらあの親はなんて言うだろうか。
怜央はひたすら黙って話を聞いてくれる。
走ってきたのだろう、息を切らした春川さんが私の目の前に来て肩をゆらし声をかけてきた。
怜央が公園を出ていった。
「ありがとう」と怜央にお礼をいったときにはもう息が整っていた。
流石毎年リレーの代表選手に選ばれている走力と体力だ。
謝ろうとした瞬間意味不明な言葉をぶつけられ罪悪感など一気に抜ける。
あっ...しまった...
いつもの怜央とのノリで強い口調に...
普通の女子相手にこれは悪く捉えられてしまう
言葉を選んでいたようだが最終的に投げやりに話し始めた。
突然のことに開いた口が塞がらない。
でもなんとなくわかった。
過去のことをズルズル引きずって苦しんでいたんだろう。
自分と一緒だ。
息をゆっくり吸う。
こういうときこそ「勢い」が役立つのだろう。
勢いで言いたいこと全部言ってしまってまた一呼吸置く。
これ以上のことをこの性格に対して言う必要は無いだろう。
女子のように「群れたい」といったりする習性もなく一番楽な関係を築ける性格。
自分がこのような性格になったのは親に言われたあの一件後だろう。
春川さんはいつからだろうか...
夕陽がかかった公園からの帰り道に二人の陰と、それを見守るように少し離れて後ろを歩く一人の姿があった。
つづく















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。