〈あなたside〉
ともやん『明後日、また俺個人の
撮影あんねんけど来てくれる?』
おもてなしデート以来のお誘いだった。
私はすぐに予定を確認する。
その日は久しぶりのスタジオ出勤の日だった。
レイクレと働くのも、
オーナーに直接話してからにして欲しいと頼んでおり、
丁度、明後日にオーナーに話す、
そんな外せない予定だった。
「ごめん、その日はスタジオ行く日だった。」
私は初めて、ともやんの誘いを断った。
オーナーは本当に良い人だった。
顔も広くて、たくさんの経験を与えてくれる。
事務室に入ると、オーナーはお茶を入れてくれた。
私は、「ステージに立つ演者を輝かせたい」
という夢をオーナーに話したことがあった。
私の夢が、突然近づいてきた_______。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。