第11話

Chapter 1( 2 )
691
2019/08/26 08:35
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『 え、おばあちゃん何かあったの? 』
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母 「 それがねぇ、最近体調があまり良くなかったみたいで、倒れちゃったのよ 」
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『 ええ ⋯ !! 』
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な 、なんてことだ 。
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あんなに元気にしていたおばあちゃんが倒れてしまうなんて 。
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今は 、おじいちゃんが亡くなっていて 、おばあちゃんは一人暮らしをしているから 、とても心配だ 。

母 「 ほら 、おばあちゃん一人暮らしだから心配でしょ?何かあってからじゃ遅いし 。それでパパがしばらくの間 、看病のために実家に帰るって言うから 、お母さんもついて行くことにしたの 」
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お父さんの実家といえば 、今私たちが住んでいるところからかなり離れている 。
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母 「 ほんとはね、あなたも連れていきたかったんだけど学校があるからね 。パパは介護休暇とか使って在宅仕事に切り替えられるからいいけど 。まあ 、半年くらいで戻ってくる予定だから 。それまでふまくんと仲良くね ? 」
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ちょ 、ちょっ !!
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母 「 ふまくん、あなたのこと頼むわね ? 1人置いてくの心配だったのよ〜 。ふまくんいれば安心よね! 」
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『 あ、あのさ、ちょっと待って!勝手に話を進めないで! 』
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私が止めに入っているのに 、お母さんは耳を貸さないどころか 、さらにベラベラと口を動かす 。
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母 「 タイミングバッチリだと思わない?おばあちゃんの看病でお母さん達が家を空ける期間と、ふまくん一家が引っ越してくるまでの期間が同じなんて〜 」
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頭が混乱してきた 。
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半年間 ⋯ 私は風磨くんと2人で暮らさなきゃ行けないって?
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嘘だ ⋯ 。

う 、嘘だあああ !!
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『 な、なんでこんなことに ⋯ っ 』
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ガックシうなだれる私の隣では 、平然とした態度でお母さんの話を聞いている風磨くん 。
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母 「 女の子一人だと危ないし、何かあったら困るじゃない? 」
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いやいや 、お母さん 。
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この人と一緒にいる方が 、100倍危ないですけど?
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もう 、何か起こっちゃってますけど!
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風磨 「 お母さん、大丈夫ですよ 。僕があなたのこと守ってあげるんで 」
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どの口が言ってるんだ 。
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母 「 あらっ、頼もしい!正義感が強くて、あなたを守ろうとしてくれるところは、昔から変わってないわね〜 」
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っていうか、私を守ろうとしてくれたことなんてあったっけ?
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いつも私が守っていたような記憶しかないんだけど 。
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そのとき 、さっき図書室で倒れているように寝ていた風磨くんの姿が 、パッと頭に思い浮かんだ 。
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