静まりかえった教室に、黒板にチョークが擦れる音が響く
数十秒してその音は止み、代わりに教室のドアが閉まる音が響いた
朝、いつも通り教室のドアを開けると、
教室の黒板に
「井上瑞稀はクズ」
の文字が
クラスメイトも動揺していて、みんな黒板の方を見ながら話している
こんなの本人が見たら...と思い、急いで黒板に向かったとき
ガラガラッと勢いよく教室のドアが開いた
瑞稀は眠そうに目を擦りながら黒板の方に目を向けた
そう一言だけ呟き、自分の席に向かう瑞稀
...確かにこんなことで傷つく人ではないけど、軽すぎる
恐る恐る瑞稀に尋ねる
瑞稀はそう言って机に突っ伏してしまった
私が消したいならって...
どうしていいのかわからず、消そうかどうか迷っていると
と希美たちも来てしまった
希美たちも異変に気づいたようで、みんなの視線の先に目を向けている
涼くんは何食わぬ顔で瑞稀のもとへ向かい、
希美は黙々と黒板のその文字を消すと、何事もなかったように自分の席に着いた
...やっぱり、前にもこういうことされてたのかな
瑞稀の知らないところが見えたような感じがして、少し胸が苦しくなった気がした
瑞稀が突然涼くんのことを呼んだ
そのまま2人は廊下に出ていった
希美が言うなら大丈夫だよね...
変な胸のざわつきを抑えるように自分に言い聞かせた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。