第27話

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2020/11/28 15:00




懐かしいな


ボスは、普通の生活をさせたとともに、

ハッカーとして、私を道具のように使った

今思えば、普通に生活していたのは、

情報を集めさせるためだったのだろう

きっとそんな理由だ

そんな理由でも、嬉しかった

だって、それがあったから、

色々な人に出会えたのだから

だから、もう、辛い思いをするのは私だけで

十分なんだよ。

子供は好奇心旺盛だ

だから、何でも知りたがって、巻き込まれて

怪我をして、失う

人間とは脆くて、弱いものだ

だから、直ぐに壊れてしまう

私は、1度壊れてしまったから

だからこそ、思うのだ

もう二度とあんなことにはなりたくないと

1度壊れれば、

辛い、苦しい、寂しい、

嬉しい、面白い、幸せ、

怖い、寒い、暖かい、痛い、楽しい

様々な感情が、無くなっていくのだから

泣きたいという感情はいまだ戻ってない


私は、人形じゃないのだ


人間だ



二度と壊れるか


隼人兄さん、


気づいてよ

誰かしら、あなたを大事に思う人はいるんだ

から

ひとりぼっちは、辛いから、

家族なんだから、頼ってよ

置いていかないで欲しかった

助けて欲しかった

また、仲良くしたかった

そんな願い叶わないのかな?

一緒にイタズラして、翼兄さんに一緒に怒ら

れようよ

お母さんやお父さんに

仲がいいな

って言われて、一緒に笑いながら

「家族だからね」

って言おうよ







何度も思った。

あの日に戻れたら

あの日私が怪我をしなければ

あの日家にいなかったら

あの日隼人兄さんにきちんと本音で言い合え

ばよかった

私という存在がなければ

あんなことにならなかったのかな?

未来は違ったのかな?


どれが正解だったのかな

みんなが幸せになっちゃいけないのかな?



ねぇ、神様、私は今世でも、不幸なのです

か?

私は、どうなってもいいです。

この身が壊れようともどうなってでもいいで

す。

でも、救ってくれた私の恩人を

恩人達を幸せにしてくれませんか?


欲しいものなんてない

だから、みんなを助けてください

幸せにしてください

私はいつまで我慢すればいいですか?

疲れちゃう前に、助けてくださいよ

お願いですよ


私の命で良ければあげますから

だから、



この世界で、不幸な人達を幸せにしてくだい

そして、私の恩人達を笑顔にさせてください


お願いします



私は、

何度でも願いますから


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