第58話

fifty-seventh
937
2024/04/03 22:00 更新
マーク・T
マーク・T
おはようあなた、よく眠れた?
森あなた
…マーク?
森あなた
なんで、部屋に?
マーク・T
マーク・T
食事を届けに来たんだよ。
ルーシーは別の仕事で
いなかったから。
森あなた
そか…ありがと。
森あなた
今日、私はどうしたらいいのかな?
昨日はマーク達と
話して終わっちゃったけど…
マーク・T
マーク・T
今日?
マーク・T
マーク・T
俺とデートだよ!
森あなた
マークとデートか〜…
森あなた
…はい?











































































森あなた
(…なんで)
マークと横浜デートしてるんだろう…




















私は、朝食が終わってすぐに服を渡され、
着替え終わるとオレンジのウィッグを被せられ、
ヘアアレンジとメイクをされと、
人形になったかのように着飾られた。






それら全てが終わった私は、
普段の少々子どもらしさのある見た目から、
まるで別人の様になっていた

マーク・T
マーク・T
ん〜!美味しいねこれ〜
森あなた
あの、マーク?
なんでこんなことしてるの?
マーク・T
マーク・T
あ、あなた買い食いは嫌だった?
じゃあ別の事でも…
森あなた
そ、そーじゃなくて!
なんで普通に出かけてるの!?
森あなた
探偵社とポートマフィアと
戦争中なのに、こんなこと…
マーク・T
マーク・T
あー、それは僕の異能力の関係だよ。
僕の異能、狙撃特化だからさー
森あなた
狙撃…
マーク・T
マーク・T
そ、だからほんとにいざって
時にしか仕事がないんだよー
森あなた
でも、だからって
私を連れ出す理由は…
マーク・T
マーク・T
そりゃあ、僕この辺の事とか
全然分からないし、
それにあなたと一緒に居たいからさ!
森あなた
っそ、そうなんだ。
マーク・T
マーク・T
あなたも、船に籠りきりじゃ
つまらないでしょ?
森あなた
まあ、そうだね…
正直やる事もないからね。
マーク・T
マーク・T
明日にでも本か何か持ってこうか?
それか今から買いに行っちゃう?
森あなた
いいの?マークも何か
したいことがあるんじゃ…
マーク・T
マーク・T
ん〜?別に特別したいことはないよ?
だから食べ歩きしてるわけだしね。
マーク・T
マーク・T
僕は横浜の街を大方
把握出来ればいいからさ。
あなたが行きたいとことか、
したいことあれば云って欲しいな。
森あなた
…じゃあ、この街を色々巡ろっか!
マーク・T
マーク・T
え?いいの?
森あなた
大丈夫大丈夫!私、生まれてから
ずーっとこの街に住んでるんだから、
案内なんて余裕だよ!
森あなた
食べ終わったらなら行こ!
あ、はぐれないように手でも繋ぐ?
マーク・T
マーク・T
そうだね、そうして欲しいかな。
私は、マークの方へ手を伸ばす




彼は一切の迷いなく私の手を取り、
優しく握りしめた
































しばらく歩いていると、
赤レンガ倉庫の近くでマークの足が止まる
森あなた
マーク?どうしたの?
マーク・T
マーク・T
ねぇあなた、あの車は?
森あなた
あー、あれ?
クレープのワゴン車だね。
森あなた
そういえば、前に鏡花が敦さんと
食べたって聞いたな…
あ、一昨日持ってたのとも同じ…?
マーク・T
マーク・T
キョウカ?アツシ?
誰それ?
森あなた
二人とも武装探偵社所属の人で。
敦さん、どう説明をすれば…
あ、人虎って言えば分かる?
マーク・T
マーク・T
あぁ!タイガーボーイか!
彼もここのクレープを?
森あなた
そうなの。
この前の公園に居た
赤い着物の女の子覚えてるかな?
マーク・T
マーク・T
あーあの子?遠目にチラっと
見えただけだけど、
キュートだったのは覚えてるよ。
森あなた
あの子が鏡花で、私の妹みたいな子で…
最近ポートマフィアを抜けて
探偵社に身を潜めていて。
森あなた
その抜けるきっかけになったのが
敦さんとのデートみたいだよ?
マーク・T
マーク・T
…それで、そのデートで
あそこのクレープを食べたって訳ね。
森あなた
そういうこと!
マーク・T
マーク・T
ふーん…
そう云うと、彼は少し考え込み始めた








…何か変なこと云ってしまったかな?



















そういえば、敦さん鏡花とデートして
大分お金使ったっぽいんだよなぁ…





発信機の場所と偶然写ってた監視カメラの
映像でしか確認できてないけど…












橘堂に行ったなら絶対湯豆腐は食べてる…






















この組合の件終わってどっちも無事だったら
お詫び…否お礼の品でも用意しようかな


森あなた
(そういえば…)
クレープなんて長らく食べてないな…








最後に食べたのは何時だったか…



























そんな事を考えていた矢先、
誰かが私の肩に触れた





いつの間にやら、マークは居なくなっていた。
森あなた
っ、誰ですか?
モブ
ねぇ君1人?
若し良かったら俺と遊ばない?
森あなた
済みませんが、連れが居るので。
モブ
え?でも今居ないじゃん?
森あなた
…丁度、席を外しているだけで
モブ
その人って恋人ー?
森あなた
違いますね。
モブ
ならいいじゃん!
俺と遊ぼーよー?
男は、そう云いながら、私の腕を雑に引っ張った
森あなた
痛っ!ちょっと、辞めて下さい!
モブ
なんで?別にいいでしょ?
あーもう…






昨日のマークの何倍も執拗いし、
めっちゃ不快…!











いっそ殺して…
森あなた
(…ダメだ)
周りは人通りが元々多いのもあってか
いつの間にか通行人で取り囲まれていて




こんなとこで銃やらナイフやら出せば
騒ぎになってしまう…









不快感で力が上手く入らなくて、
とりあえずその場から動かない様に抵抗をする




でも、この状態も何時までもつか…


























その時だった




誰かが、私の腕を掴む男の手を払った
よぉ、兄ちゃん
何してんだ?
モブ
は?なんだよおま””ッ…
瞬間、ナンパ男はその誰かに軽く押された…






然し男は、かなり後方まで飛ばされた
おいおい、軽く押しただけだぜ?
モブ
なん”っだよ…お前…
悪ぃな、此奴は俺の嫁だ。
手を引いてくれるか?
モブ
ッチ…男持ちかよ!!
ナンパ男はそう言い捨てると、
どこかへと走り去って行った





周りを取り囲んでいた人は、
ナンパ男が飛ばされた事で
蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていた















私は、助けてくれた橙色の髪の揺れる
彼の服の裾をつまんだ
森あなた
…助けてくれてありがとう
森あなた
中也お兄ちゃん
中原中也
中原中也
当たり前だろ、
手前は俺の彼女だからな
中原中也
中原中也
んで?如何して
こんなとこに居んだよ?
中原中也
中原中也
組合から逃げられたなら
さっさと帰ってくれば
いいだろうがよ
森あなた
あ、えっと…
森あなた
逃げれては、なくて…
でも組合の異能者の一人と出掛けてて…
中原中也
中原中也
…そうか。
それならそれでまぁいい。
中原中也
中原中也
暫く船の方には近づくなよ、
其の儘適当に街をふらついてろ。
森あなた
え?なんで…
中原中也
中原中也
悪ぃな、仕事に戻らねぇと
いけねぇからな、もう行くぜ。
森あなた
…もう、ダメ?
中原中也
中原中也
…そろそろ離れてる
組合の奴も戻ってくるだろ。
俺達が会ってるのを
見られても不味い
森あなた
(…それは、そう、だけど)
寂しいな…



ここ最近、会えてなかったし…










すると、中也お兄ちゃんは
こちらにゆっくりと寄ってくる



その直後
























ちゅっ





















そう音が鳴り、唇に柔らかい感触がある
森あなた
…え?
あ、なん…?
中原中也
中原中也
じゃあな、無事に戻って来たら、
続きでもしてやるよ。
森あなた
っちょ、えぁ??








森あなた
ほんとに、ズルいってぇ…
その後、戻って来たマークと一緒に
彼が買ってきてくれたクレープを食べたが、
甘ったるい筈なのに、全く味を感じなかった

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