マークと横浜デートしてるんだろう…
私は、朝食が終わってすぐに服を渡され、
着替え終わるとオレンジのウィッグを被せられ、
ヘアアレンジとメイクをされと、
人形になったかのように着飾られた。
それら全てが終わった私は、
普段の少々子どもらしさのある見た目から、
まるで別人の様になっていた
私は、マークの方へ手を伸ばす
彼は一切の迷いなく私の手を取り、
優しく握りしめた
しばらく歩いていると、
赤レンガ倉庫の近くでマークの足が止まる
そう云うと、彼は少し考え込み始めた
…何か変なこと云ってしまったかな?
そういえば、敦さん鏡花とデートして
大分お金使ったっぽいんだよなぁ…
発信機の場所と偶然写ってた監視カメラの
映像でしか確認できてないけど…
橘堂に行ったなら絶対湯豆腐は食べてる…
この組合の件終わってどっちも無事だったら
お詫び…否お礼の品でも用意しようかな
クレープなんて長らく食べてないな…
最後に食べたのは何時だったか…
そんな事を考えていた矢先、
誰かが私の肩に触れた
いつの間にやら、マークは居なくなっていた。
男は、そう云いながら、私の腕を雑に引っ張った
あーもう…
昨日のマークの何倍も執拗いし、
めっちゃ不快…!
いっそ殺して…
周りは人通りが元々多いのもあってか
いつの間にか通行人で取り囲まれていて
こんなとこで銃やらナイフやら出せば
騒ぎになってしまう…
不快感で力が上手く入らなくて、
とりあえずその場から動かない様に抵抗をする
でも、この状態も何時までもつか…
その時だった
誰かが、私の腕を掴む男の手を払った
瞬間、ナンパ男はその誰かに軽く押された…
然し男は、かなり後方まで飛ばされた
ナンパ男はそう言い捨てると、
どこかへと走り去って行った
周りを取り囲んでいた人は、
ナンパ男が飛ばされた事で
蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていた
私は、助けてくれた橙色の髪の揺れる
彼の服の裾をつまんだ
寂しいな…
ここ最近、会えてなかったし…
すると、中也お兄ちゃんは
こちらにゆっくりと寄ってくる
その直後
ちゅっ
そう音が鳴り、唇に柔らかい感触がある
その後、戻って来たマークと一緒に
彼が買ってきてくれたクレープを食べたが、
甘ったるい筈なのに、全く味を感じなかった













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。