カーテンから刺さる光がいつもより眩しい。
少しぐしゃってるシーツ、乱れてる髪の毛。
そっと起きようとするけど逃がさない腕。
「どこ行くん」
低い声。
『水…』
「あとで」
即却下。顔上げたらりゅうきの目もう開いてる、珍しい
じっと見つめてくるその目。まだ昨日の余韻が残ってるような気がする
「昨日さ」
『なに』
「我慢してた分、ちょっとやりすぎたかも」
にやっと笑いながら言うりゅうき。
だんだん熱くなる顔
『…しらん』
「知らんて何」
「ちゃんと俺の名前呼んでたやん」
『やめて』
恥ずかしくて布団に顔を埋めてしまう。
「かわいい」
『朝からやめて』
「朝やからやろ」
近づく顔、でも触れはしない
「聞いてや」
急に真面目な声。
『ん?』
「俺帰ってきたなーって実感したんあの瞬間やった」
『どの瞬間』
「あなたが俺の事ぎゅってしたとき」
なんも言えへん。まともに目も見れへん
「ちゃんと帰る場所あるって思った」
『今日はやさしくな』
「それは保証できひん」
『なんで』
「2ヶ月分まだ残ってる」
なにこいつ、!照れくさくてりゅうきを軽く叩く
『ばか』
「好きやろ」
『……』
「な?」
頷くと満足そうに笑ってゆっくりキス。深くないけど昨日より長い。
「ツアー中毎晩思ってた」
『、なにを』
「帰ったら絶対離さんって」
前みたいに照れくさく言わなくなったりゅうきに少し大人の余裕みたいなのを感じて胸が高鳴る。
『…うるさい』
「うれしいくせに」
『もーむり!』
時計、13:20。
なのにまだ布団の中。
りゅうきの腕は腰に固定されたまま、離す気ゼロ。
「なあ」
『んー』
「さっきからなんか静かやけど」
『べつに』
「絶対なんか思い出してるやろ笑」
『…おもいだしてない』
「へー、じゃあなんで耳赤いん」
意地悪な声。
『赤くないから』
なんかずっと余裕ある顔。
「あなたさ」
『言うな』
なんか嫌な予感してすぐりゅうきの口を塞ぐ
「なんも言ってないやん笑」
『いや言う顔してた』
「被害妄想や」
楽しそうなりゅうきとは反対にあなたの頭の中は昨夜の事でいっぱい。
あの抱きしめ方、低い声で名前呼ばれたこと、はじめて見るりゅうきの顔。
余韻ひたひたすぎてなんも考えられへん。なんやったんあれ。
『…』
「あなたって俺の事めっちゃすきやろ」
『急になに』
「昨日のあなた見てたらわかる」
『もーうるさい』
「うるさくない」
『うるさい』
「かわいい」
耐えられへんぐらい心臓がドキドキ言ってる。
布団から顔を出すけどりゅうきの顔は見れへん。
「なあ」
『なに』
「昨日さ」
『もうまたそれ!?』
「いや内容違う」
少し体起こしたと思ったらあなたの顎くいってしてきて
「りゅうきって呼ぶ声、ちょっと違った」
『別に普通やし』
「普通ちゃうかった」
『普通』
「いつもより甘かった」
思い出してまた赤くなる顔
「自覚ないんや」
爆笑するりゅうき
『ない』
「俺は覚えてる」
『わすれろ』
「むり」
「あとさー」
『えまだあるん??やめてやめて』
「俺の服ぎゅって掴んでたやんな」
…たしかに。いやいやいや
『しらん』
「かわいすぎたあれ」
まるで犬をかわいがるように頭ぽんぽんって。
「2ヶ月我慢した甲斐あったわ」
『最低』
「なんで」
『調子乗ってるやろ』
「そりゃ乗るやろ俺の彼女、かわいすぎるもん」
さっきから甘い発言にやられまくってもう目合わせられへんのに、更に攻めてくる罪なウォトコ前川。
「てか昨日のあなた、俺しかしらんねんな」
『…りゅうきもやろ』
『あんな顔、外でせんやろ』
数秒固まるりゅうき。そして笑う
「やるやん」
『誰の彼女やと思ってんの』
「つよ。」
「俺の彼女か」
そう言ってまた軽くキス。
『昼やで』
「昨日も夜やった」
『意味ちゃう』
「いっしょ」
いじってくるけど大事にしてる余裕のある彼氏。
でも好きはちゃんと溢れてる。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。