第4話

報告書3
511
2024/09/05 12:09 更新
森鴎外
森鴎外
...君も存外、悪趣味になったと思わないかい?
那津華陰
那津華陰
そうですかね?
まぁ、首領の背中を見て育ちましたから

森は溜息混じりに、那津は語尾に音符が着く様な声色でそう言った
太宰治
太宰治
...那津さんは知ってたの?
那津華陰
那津華陰
まぁね。そもそも見てたし
森鴎外
森鴎外
!...はぁ、そういう事か...
矢張り随分悪趣味となったものだ
那津華陰
那津華陰
其の言葉、そのまま返却しますよ

那津の発言に、森は何度目かも分からない溜息を着く
太宰治
太宰治
?見てたって...ンムッ

話そうとする太宰の口を、那津は人差し指で柔く抑える


「其れには答えられないよ。」っとでも言うように


不服だったのか、少し太宰は拗ねた様な顔をする
那津華陰
那津華陰
ククッ、すまないね
まだ仕事仲間で無い以上
安易に手札は明かせないんだ


人差し指を離すと、那津はニコッと笑った


そんな様子を見ていた太宰は、不意に那津の両手を勢い良く掴んだ

那津華陰
那津華陰




太宰治
太宰治
那津さん...僕と心中しない?
森鴎外
森鴎外
えェッ!?
那津華陰
那津華陰
おぉ



唐突な爆弾発言に森は驚くが、当の那津はまるで他人事の様な風を吹かせている

森鴎外
森鴎外
太宰くん一寸待って??
彼に居なくなられても困るの!
と言うか那津くんも那津くんで関心しないの!
那津華陰
那津華陰
いえ、面白い事を言うなぁ...っと♪
森鴎外
森鴎外
えぇ...
那津華陰
那津華陰
でもな、太宰君
太宰治
太宰治
掴まれていた手をやんわりと解き、今度は太宰の頭の上にポンっと乗せる
那津華陰
那津華陰
同性に恋するな〜何て言わないけど
そう言う口説き文句は、
本当に心から愛した人に言うと良いよ
太宰治
太宰治
ム...本当だよ、僕は那津さんが好き
笑顔も素敵だシ、頭撫でる手付きが優しいから


不貞腐れた様に言う太宰に、那津は此方も何度目かは分からない笑を零す
那津華陰
那津華陰
ククッ、嬉しいねぇ...
那津華陰
那津華陰
まぁ、本気で愛したい人が出来れば
君の自殺願望も少しは薄れてくれるかもね
太宰治
太宰治
...

そう言うと、太宰は目を少し伏せ、一言

太宰治
太宰治
―――森さんってさ、宛が外れたよね
森鴎外
森鴎外
ん?



分からないと言う様に森が少し首を傾げると、


太宰は顔を上げ、光の灯ってない瞳で彼を射抜く


太宰治
太宰治
だっテそうでしょう?先代を殺害してから一年。
なのに僕は今も、こうして生きて居るのだから

そんな言葉に、那津は目をパチクリと瞬かせた

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