[としみつ視点]
レクも終わってしばらくは自由時間。
その後は高校生になるにあたって〜って
長い長い話を聞く。
それが終われば飯作って食って肝試し。
自由時間の間、あなたはずっと隣にいた。
としみつ「なんか今日ずっと隣にいるやん。」
あなた「としみつの隣にいるとりょうくん意地悪してこないの。」
としみつ「ふーん、好きなんじゃない?あなたのこと。」
あなた「それはないなぁ。だってりょうくん他の子にはすごいニコニコして優しいんだよ?」
あなたはいまいち「特別」ということを分かってない。
この様子だと俺があなたの隣に入れて嬉しいってことにも気づいてないんだろうな。
としみつ「じゃありょうより俺のこと好き?」
あなた「うん、としみつといると楽しいよ。」
子供みたいに笑う。前みたいに化粧もしてないし冴えない髪型に戻ったはずなのに不覚にもドキッとしてしまう。
あなた「でもりょうくんも嫌いなわけじゃないよ。たまに優しいし。」
その一言でやっぱ同じなんだなって思う。
俺の方が、って思ってたけど。
としみつ「あなたは好きなやつとかおらんの?」
あなた「んー、初恋以来恋してないんだ。」
としみつ「へー、初恋いつなん?」
あなた「小学生の時、同じ図書委員で一個上の人。頭が良くて優しくて、たいきくんって言うの。」
ほっぺ赤くして話すから少しイラついた。
あなた「でも…、そういえばたいきくんも少し意地悪だったなぁ。」
としみつ「…意地悪な男が好きなん?」
あなた「ううん、好きだったから意地悪されるのも許せたのかも。笑」
としみつ「ふーん…。」
あまりに楽しそうに話すからついふてくされてしまう。
メイ「あなたー!としみつー!2人で何やってんのー!もう長い話聞きに行くよー!」
先生「…何が長い話だ?」
メイ「あっ…。」
メイは相変わらずだ。
……メイにでも相談してみるかな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。