第9話

STORY10
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2018/07/26 13:59 更新

「どうしても渡してほしいって頼まれたの」


「誰に...ですか?」



私の言葉に篠原さんは静かに首を横に振った。



「ごめんね...それは言えないの。そう約束したの……読むか読まないかは優花ちゃんが決めていいの。でも、もしその手紙を読んでなにか思ったら...お願いね」



篠原さんは静かそう告げて



「また来るわね」



と荷物を持って帰って行った。




私の手には篠原さんが置いていった真っ白な封筒が握られている。




「ねえ、お母さん?これ……読んだ方がいいと思う?」


カップを片付けるお母さんの背中にそう尋ねると、



「柚さんも言ってたでしょ?読むか読まないかは優花は決めなさい」



そう言ってお母さんはキッチンに行ってしまった。




私はその封筒を片手に部屋に戻った。



制服も着替えずにそのままベッドに倒れ込む。



特に何をする訳でもなくただ時間が過ぎるのを感じていた。




『 もしその手紙を読んでなにか思ったら...お願いね』



さっきの篠原さんの言葉が頭の中をよぎった。



『 お願い』


それがどういう意味なのかわからない。



……でも、この手紙を読めばすべてがわかる気がする。



ただ、それだけは何故かはっきりと分かっていた。


わからない、


怖い、


分かりたくない


知りたい、


















知らなくちゃいけない









その言葉が浮かんだ時、わたしの手は自然と手紙の封を切っていた。



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