第15話

稲荷崎with宮侑
3,508
2019/04/22 01:06
水樹伊織
信介ー!!
北信介
どうしたん伊織こんなとこまで
今日は学校が休みなんやけど、私が学校おるから驚いとる。
水樹伊織
信介試合あるっちゅーたやろ
北信介
言うたけど、わざわざ来なくてもよかったやろ。遠いし
水樹伊織
せやけど、バレー見るの好きなんや
北信介
まあ、ゆっくりしてき
そう言って信介はコートに戻っていった。
宮侑
あ、伊織さーん!
水樹伊織
おお!侑!
宮侑
今日も可愛いなぁ
水樹伊織
そんなお世辞いらんで?
宮侑
お世辞ちゃうわ!
水樹伊織
またそんなこと言いよる。ほら、信介呼んでるやろ
宮侑
ほんまや。ほなあとでな
そう言って駆けていった宮侑。顔、ほんまに整っておる。ムカつくなぁ。
試合は稲荷崎の圧勝に終わった。
校門で信介を待ち伏せする
北信介
あれ?伊織?
水樹伊織
信介!お疲れ様!
宮侑
伊織さん俺は?
水樹伊織
侑もおつかれ
北信介
伊織、このあと時間あるか?
水樹伊織
あるある、どうしたん?
北信介
ちょっと付き合って欲しいとこあんねん
水樹伊織
ええけど
宮侑
北さん、俺もいく
北信介
はぁ?なんで侑も来るんや?
宮侑
俺も見たいとこあるんすよ
北信介
ならええけど、
水樹伊織
行こか?
宮侑
行く!
歩き出して、侑が腕を組んできた
水樹伊織
なんや侑
宮侑
迷子にならへんように
水樹伊織
ならへんやろ
宮侑
わからん
水樹伊織
なんやそれ
北信介
そういえば、治は?
宮侑
あー、腹減ったゆうて帰りました
水樹伊織
治らしーなー
北信介
せやな
最寄りのショッピングモールに入ると、2人は一目散にバレーのコーナーに向かった。
北信介
これや、これ
信介が持っていたのはスポーツ用タオル
水樹伊織
ええんちゃう?似合いそやけど
北信介
ほーか?ならこれにする
宮侑
伊織さん俺のも選んで
水樹伊織
んー、侑はこれがええんとちゃうか?あ、これ、治とお揃いにしいや
宮侑
なんで、お揃いにせなあかんねん
水樹伊織
似合いそやなって思っただけや。嫌ならやめればええよ
宮侑
…嫌じゃないに決まっとるやろ。
水樹伊織
じゃあ、大人しく買えや
宮侑
言われんでも買うわ
北信介
侑、伊織は年上やぞ?
宮侑
すんまへん
水樹伊織
信介、別に気にしとらんよ?
北信介
伊織が気にせんでも俺が気になるんや
水樹伊織
ほーなんか?
宮侑
北さんレジ並ばへんと
北信介
ああ、せやな
そうして2人はレジに並びタオルを買って大満足のようだった。
宮侑
伊織さん、これ、好きやろ?
そう言って侑が出してきたのは私が大好きなお菓子
水樹伊織
え?なんで買ってるん?
宮侑
レジんとこにあった、やるわ
水樹伊織
ええんか?
宮侑
伊織さんのために買ったんやからええに決まっとるやろ
水樹伊織
あ、ありがと
北信介
イチャイチャすんなやー
水樹伊織
してへんわ!
宮侑
すんません
へ???
水樹伊織
別にイチャイチャしてないやろ
宮侑
俺は伊織さんとイチャイチャしたいけどな?
この日から私は侑のことを意識するようになった。
宮侑
伊織さーん
事あるごとに私のそばに来る。
水樹伊織
侑は私に甘えすぎなんや
宮侑
嫌なんか?
水樹伊織
嫌…じゃないけど
宮侑
ならええやん
そういう問題じゃない。けど、頼られて嬉しい気持ちもある。もう意味わからへん。
最近タメ口になり始めて、なんだかドキドキしてる自分がいる。こんなんいやや。
「侑ー!ちょっとええか?」
宮侑
なんや、李零りお
あの子は確か稲荷崎の隠れマネージャー。強いチームに女子マネはいらんっちゅーのがうちの監督の意向らしいけど、あの子は優秀なのか、ベンチには入らんけど練習ではマネージャーやってる子や。
ズキっ
侑があの子の名前を呼んであの子のとこへ行くのが嫌や。ああ、自分、侑のこと好きなんやな

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