そらねこSide
天界での三界会議の前日。
その日でも翔さんは眠ったままだった。
声をかけても反応しない。
寝たきりになってしまったのは一ヶ月前ほどだったか。
それからは、僕が代わりに仕事をしていたので、さして魔界の政治には影響はないが、悪魔や死神からの心配の声が上がっている。
前の魔王があれだったので、翔さんの支持率は結構高い。
翔さんが起きなかったら、一人で三界会議に行くしかない。
そもそもの話、魔王が天界に繋ぐワープゲートを作るので、天界に行けるかどうかわからない。
そして、三界会議に行けないとゆう前例は、今までにはない。
そらねこのところに悪魔が入ってきた。
え?どうゆうこと?
悪魔はそう言って去っていった。
悪魔はなんでか言ってくれなかったから、堕天化している理由はよく分かっていない。
でも・・・
ずっと寝込んでいる理由も————
翔Side
そこは、ずっと真っ暗な空間だった。
どこを見渡しても、黒、黒、黒。
しかも、どこが出口かわからないから、出ようにも出られない。
そんな場所を何日も彷徨い続けている。
たまに少しだけ霧が晴れて、記憶、が見えることがある。
でもその記憶はまだ霧で完全には見えず、全貌も見えない。そのとき、どこからか声が聞こえた。
そらねこの声だ。
外はもう三界会議の季節か、と思った。
いや、俺がここから出て三界会議に行かないといけない。
そらねこだけで行けるとも思ったが、そもそも俺がワープゲートを開かないと、天界に行けない。
さて、どうしたものか。
いまだに外に繋がる出口は見えない。
また、そのとき声が聞こえた。
なろっちが堕天化?なんで?
そう思っているうちに、あたりの黒い霧が晴れていった。
魔王に何か薬を飲まされた。
そのせいか、自分の翼も黒くなってきた。
俺は、地面に這いつくばりながら、なろっちの方に向かった。
なろっちは、俺を優しく抱きしめてくれた。
でも、止まらないから。
止められないから。
俺の堕天化は。
カラン、と音がした。
目の前が黒くなり、翼も真っ黒になってきた。
そんな言葉も、届くはずないのに。
最後に俺の目には、灰色の髪と、水が頬を伝う感触だった。
目を開けると、そこは俺の自室。
そらねこの声が聞こえた。さっきよりも鮮明だ。
さっきの記憶は、鮮明で、ちゃんと全貌も見れた。
俺は、ベットから体を起こし、その縁に座る。
だけどそこから急に、そらねこがシュン、となった。
そこから、沈黙が場を制した。
少し経った頃、俺が口を開いた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!