らんside
俺が御手洗から出ると、スマホの通知音が耳に入る
スマホを確認すると、どうやらいるまからだったらしい
珍しいなと思いつつ、見てみると
" 早くあなたの元へ来い "
と言う、よく分からない内容だった
何故いるまに、俺とあなたが現在離れているのを
知られているのだろうと疑問に思ったが、
ここは一旦いるまの指示に従おうと、
小走りで彼女の元へ行く
俺が彼女の元へ着くと、
先程、俺に連絡してきたいるまが彼女の傍にいた
俺と彼女で少々話していると、
いるまからの視線が、嫌でも目に入る
……何か、キレてる、?
いるまはピリピリとした雰囲気を悪化させるように
俺とあなた、どちらの目と合わせないまま
そう言い捨てた
俺には、その言葉の意味や原因、
そして怒っている理由すら心当たりが無かった
ただ、彼女は少し知っているのか
癪に障っているあいつを止めようとする
2人だけが知っている事と言えば、
俺がいなかった時に何かあったのだろうか、
そう思っている少しの間に、いるまはあなたの手を引き
あっという間に俺の傍から離れてしまった
その時、俺といるまは少し目が合ったが、
その瞳は、怒りと共にどこか焦っている様な気がした。
……これで、確か合ってるよね、
俺は、あいつに言われた通り
服を家に置き、なるべく早く紫崎家の家へ向かった
一呼吸を置き、呼び鈴を押すと
意外にも直ぐにいるまが出迎えてくれる
N E X T .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。