そして、ある日大宰さんを見つけた。
ポケットに手を入れ、鼻歌を歌っている様子だ。
｢見よ、あちらが大宰さんだ｣
｢包帯巻きの人？｣
｢然り、彼の人だ｣
、、は僕を抱き締め、今迄ありがとう芥川さん、大好き！この後はよろしくね！と残し、僕が抱き締め返す間もなく、嬉しそうに行く。
咄嗟に、、の手を掴んだ。
｢わっ｣
、、は進行方向とは引っ張られ、転びそうになる。
僕は何も云わず、、の手に接吻を落とした。
、、は驚いていたがそのまま、ばいばい、とだけ残し行ってしまった。

　　　　　　　☆          ★         ☆

突然の事だから驚愕してしまった。
芥川さんに接吻された手の甲を見つめ太宰さんの元へと移動していた。
何だか悲しい接吻だった気がする。
そんなことより、街中には気味が悪いくらいに見慣れた顔が多かったが、気にする事はない。
漸く、心待ちにしていたこの日がやって来た。
何時もより軽い足取りで、太宰さんに近づく。
｢あの、すみません｣
恐る恐る声を掛ける。
この先は自分でどのような流れにするか、決めていた。
｢如何しましたか？｣
立ち止まり、私に目線を向け紳士に対応する。
｢助けて下さい。後を付けられているんです｣
｢おや、それは困った。さ、お嬢さん腕をどうぞ｣
態々背の低い自分の高さに腕を合わせている。
自分は差し出された腕を組んだ。
想定外だった、真逆自分から触れる機会を作ってくれるとは。
ありがたい限りだ。
というか、扱い方がやけに慣れている。
｢太宰さん、ありがとうございます。態々すみません｣
痛い視線が私を刺している。
震え上がるのを何とか我慢しながら話した。
｢困っているんだろう？どうって事ないよ。」
一瞬、フシギそうな顔をし、笑って云ってくれた。
｢後、ごめんなさい｣
｢ふふっ大じ＿＿＿｣
優しく微笑んでくれた大宰さんを、自分は突き飛ばす。
｢＿＿＿＿｣
太宰さんから離れた刹那、銃声が街に響いた。

芥川が、、の後をつけ、様子を伺っている。
自分が太宰さんを突き飛ばし、離れれば太宰さんは何事だと思い、直ぐに自分の所へ駆け寄ってくるだろう、自分はそう考えた。

　　　　　　　☆          ★         ☆

｢じゃあね｣
太宰さんを突き飛ばした瞬間、そう云った気がする。
その刹那何かが、、の頭を貫通し、血が流れ、倒れた。
本来ならば即死だが、大宰さんが触れぬ限り、、は異能により死ぬことはない。
しかし、太宰さんは驚きながら駆け寄り、、の身を起こす。
拙い大宰さんが、、に触れている限り、傷が直らぬ。
｢太宰さ＿＿＿！！｣
僕がそう叫ぶと、、は自ら太宰さんの腕を触り握りしめた。
大宰さんは、、の名を呼びながら止血をする。
、、は頭を触ってから、血の付いた手を見て安心して笑った。
｢、、！！、、！！｣
太宰さんが触れ続ける限り、血が止まることはなかった。
血を大量に流し、、は、僕を見て微笑んだ。
僕が駆け寄り再び声を掛けた時には、既に遅かった。
光を取り戻した目には、輝きを失っていた。
まるで生気がなく、温かみを失った骸になっていた。
しかし、顔は今迄に見た事がないくらい穏やかだった。
その時が初めて、、の本当の気持ちを見た気がした。
街中で殺人が起き、混乱に陥っている中、太宰さんだけが冷静に対処していた。

僕は今までの生活で、成る可く希望が見せられるようにしてきた。
心の底で、、が少しでも生きる活力を見せる事を願っていた。
正直に云ってしまえば、死なせたくなかった。
少しでも太宰さんの手を放す素振りや、死に抵抗があれば、殺害を早急に取り止め、マフィアに加入させ育てる心算だった。
・・・否、本当は殺す気など微塵もなかった。
、、に生きて欲しかった。
僕の欲で、、の夢を踏みにじり、、が死ぬ事なくこの任務が終われば、僕は、、に嫌われ、どんな罵声も浴びせられようが、顔を合わせる度に嫌悪の眼差しを向けれようが構わない。
こんな事になる筈ではなかった。
｢人虎が出来たように、僕も出来ぬはずがっ！｣
骸に成り果てた、、を抱きしめ、泣き叫ぶ。
僕の服や手、顔には生気を失った血が付着する。
｢落ち着くんだ芥川くん。これは？｣
傷を塞ごうと思い、手で塞ぐが止まることはない。
こんな事しても、もう遅いのは解っていた。
｢何故だ！僕が僕がっ！｣
｢芥川くん！！｣
大宰さんが僕の肩を強く握り、声を荒げた。
僕は漸く我に返った。
動くことの無い、、を抱き、人気のない所へ移動し、太宰さんに全て事情を話した。
｢成程ね｣
僕が腕に抱える、、を見て云った。
｢芥川くん、君はよく頑張ったんだ。でも、敦くんの様に上手くいかないこともある。彼女の様な境遇で育ってきた、組織を転々としている子は、殆どの子達が組織の機密情報を持ち、始末されず逃げてくる子が多い。彼女は芥川くんとそのタイミングがあってしまったんだ｣
｢はい・・・｣
太宰さんは、なに君が悔やむことは無い、彼女は解放されたのだよ、とだけ残し、その場を後にした。
あの後、銀が泣きながらも、僕が知らない姿の、、の事を教えてくれた。
その話によると、太宰さんの云う通り、組織から狙われていたそうだ。
僕はそんな事を知る由もなく、共に生活していたようだ。
悔しい。
何も出来ず、彼女を亡き者にさせてしまった己自身が許せぬ。
泪一つすら流せぬ、愚かな自分が。


終

ようやくおわった

最後雑すぎじゃない？笑

意外と長い(n回目)

ここに投稿してる物語？は全てメモにあるんです

なので日に日に台詞や場面が変わっていたり

少しした話が追加されていたりで

一番最初の頃の話とはかなり物語？が変わってます

日々進化してますね

肺

あとがき、的なノリでもう少し書いてもいいよね、？

ここには書いてないのですが、序盤で

芥川家に行った後で、マフィアに行く事になり

銀と樋口と仲良くして過ごしてます

樋口は銀が増えた、と考えています

何なら、銀が小さい頃は芥川先輩が

こんな感じにお世話していたのか！？羨ましい！

とか考えちゃったり笑

黒蜥蜴の皆とも仲良くやってます

ここには書いてないですが、別の小説と同じ時系列で

進んでいるので、夢主？との関わりがあったりもしてます

あ、あと芥川と、、は結構蜜月な関係です

身長差、多分凄い

あと、あんま話さない(！？)

まぁ、とりあえずここまで読んでくださり

ありがとうございました！

他の話がまだあるので、多分

続くと思います

今回の物語で何か感想があったら是非！

(結局芥川の絵文字は何だ・・・？)

※調べるという思考を除去している