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第2話

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2022/10/17 08:00
煌めく海。はためくカモメ。
流れゆく潮風はどこか冒険を運んできそうな匂いだった。
だだっ広い海の中を迷いなく突き進むように1隻のライオンのような船頭をした船が浮かんでいる。
帆には麦わら帽子を被った髑髏ドクロが描かれていた。
ルフィ
おーーい、ウソップー!チョッパー!こっちきてみろよー!
その船内をゴムのように伸びた腕で軽々移動する麦わら帽子をがぶった男。
彼こそがこの船の船長であり、海賊王を夢見る、"モンキー・D・ルフィ"だ。
ウソップ
なんだなんだァ??
ウソップと呼ばれた鼻の長い男。
彼はこの船の狙撃手。
チョッパー
今行くぞー!
チョッパーと呼ばれた帽子を被ったトナカイはこの船の船医をつとめる。
ナミ
まーたあいつら面倒事を起こしそう…
3人がはしゃいでいる様子を見て呆れながらも不安がるのは凄腕の航海士、ナミ。
ロビン
あら、楽しそうね。うふふ 
さっきのナミとは反対に笑顔をこぼすロビンは世界がその存在を追う考古学者だ。
ゾロ
おい、クソコック。はらへった
柱によりかかり、さっきまで昼寝をしていたであろう緑ベースの男はかつて海賊刈りの異名で恐れられた剣士、ゾロ。
サンジ
人にメシを頼む時は言い方ってモンがあるんじゃねーのか?クソマリモ!!
クソコックと呼ばれたこの男、この世の女を全て愛する敏腕コック、サンジ。
フランキー
そんなことより次の島はいつ着くんだ?
パンツ1枚と裸にシャツ1枚しか着ていない変態チックな男。よーく見ると彼は鉄を体にまとったサイボーグ。この船の船大工、フランキー。
ブルック
ナミさんがおっしゃるには今の所急がなければならない事もないらしいですよ
紳士的なガイコツ、ブルックは一見誰しも震え上がるような見た目だが、みんなを笑顔にさせる音楽家である。
ジンベエ
これからの冒険が楽しみじゃのぉ
船内で1番クルー歴が短いが心強い操舵手、魚人のジンベエは豪快に笑った。










"麦わらの一味"







今、全世界を騒がす名の通る海賊だ。
数々の恐れられていた敏腕海賊を倒し、ある国の中では密かにヒーローとでも称えられる。
いい意味でも、悪い意味でもこれまでとは違った海賊。
そんな最強と謳われるのにさほど時間はかかりそうにない海賊団に、少しばかり冒険を揺るがす"何か"が起きようとしていた。
〜〜〜〜
ウソップ
?何か聞こえねぇか?
た……て…〜
ブルック
本当ですね。何か話してるように思えます
皆が耳を澄ます。
たすけて〜〜〜
チョッパー
おいおい助けてって言ってねぇか!?!?
ロビン
それにどんどん近づいてる気がするわ
フランキー
どこからなんだ〜?
キョロキョロと当たりを見回す。
海。
船内。
上…
あなた
すみません誰でもいいので助けてください〜〜〜!!!!
ゾロ
なんだあいつ空から飛んできたぞ!?!?
サンジ
レディが助けを呼んでいる!!!俺がっっ
ルフィ
にしし
びよーーーん
ルフィが下から手を伸ばし、上から落ちてきた少女の腰に巻き付ける。
サンジ
おい!ルフィ!抜け駆けしやがって!!
ルフィ
なんかおもしれーこと起きそうな気がする!!!
ナミ
何をまた根拠のないことを…
グイッ!!
ルフィは腕を引いた。
あなた
うわぁぁぁぁぁぁ…あ?
少女は死を覚悟して目をつぶったようだが恐る恐る目を開いた。
そして顔をぺたぺたと触る。
あなた
……
あなた
うわーー!凄い生きてる!?!
あっ助けて頂きありがとうございますっ!!!
彼女の耳の月をモチーフにしたと思われるピアスが揺れる。
その少女は一般的な男性なら誰もが見惚れる程の容姿をしていた。
肩までのふわふわした栗色の髪に、瞳と同じ色だと思われる水色メッシュの触覚が映える。
切りそろえられた前髪から覗く瞳はまるで宝石のように美しく、全体的に見ても整った顔立ちをしている。
白いフリルのついたタンキニに黒いショートパンツと、大胆に腹部と太ももが晒された格好は彼女の引き締まったからだを強調させていた。
サンジ
んをぉぉぉ♡♡♡麗しのレディ♡♡ケガはないかい?
女に目がないサンジが少女に手を貸そうとする。
あなた
…るふぃ???!!
当たりを見回していた少女はルフィに目を止めると一目散に近づいた。
当たり前だがサンジの手は行きどころを失った。
ゾロ
フッ
サンジ
おい今誰を鼻で笑ったクソマリモ!
ゾロ
どっかのアホコックが相手にされてないんでつい、な
サンジ
あ"ぁん!?
そんな2人の会話を他所に少女とルフィは対面する。
ルフィ
あ?誰だ?おまえ
あなた
忘れちゃったの!?私だよ!うんと昔フーシャ村にいた…
少女は左手を軽く握り少し下を向く。
ルフィの幼い頃の記憶の中で同じポーズをした少女と重なった。
ルフィ
おまっ、もしかしてあなたか!?!!
ルフィが目を見開く。
あなた
そうだよ!!!!久しぶりだね!ルフィ!









あなたの下の名前、と呼ばれた少女はルフィの中の記憶と変わらないニカッとした笑顔で笑った。

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