ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ









不気味な音と共に目が覚めた。








そこは白く何も面白みがない部屋。








何も思い出せない。








何故私はここにいるのか。








それが思い出せない。








『…でも今日も生きてる』








ちゃんと今日も生きれたらしい。








別に死んでもいいし死ぬことが怖い訳でもない。








何処かで私のことを救ってくれる人がいるかもしれない。








そう信じて一日一日ちゃんと生きている。








？？「…目覚めた？」








『…ｺｸｯ』








やはり人を目の前にすると話せない。








少しずつ自分の気持ちをここに書くのは








慣れてきた。








どうすれば上手くかけるか。








そういうのもネットで調べるようになった。








…話ズレた。笑








『…だ……れ……』








私の精一杯の声。








人の前でだせた。初めての声。








？？「俺？俺ね。櫻井翔って言うんだ。」








『…』








内心貴方しかいないだろ。








と思った。








この人は果たしてどうして私の所にいるのだろうか。








ここはどこなのだろうか。








紙に書いて私のことを教えようかな。








【私は人を目の前にすると話せません】








櫻井「…まじ？」








【はい。ここまで人と話したことがありません。】







櫻井「そっかそっか。ok。」







？？「兄貴ー！！！目覚めましたー？！？！女の子ー！！」








櫻井「起きた起きたー！！」








？？「ちーす。」









…これは世間で言うチャラい…なのか？







櫻井「この子人を目の前にすると話せないんだって。」








？？「訳あり物件的な感じの訳あり人間？」








櫻井「お前そういうのやめた方がいいぞ？笑」








？？「俺菊池風磨。よろー。」








櫻井「こんな奴だけど根は優しいからさ。笑」








『…ｺｸｯ』








こうやって人を見ると








私は失敗作なんだってもっと思っちゃう。







『あぁ ほら また間違えた


これで 何度？ 何回目？


ねぇ ほら 塞いでたって ぽっかり浮きでる 傷跡


あぁ ほら また誤魔化した


見て見ぬ振り お上手ね


もう ほら 何言われたって 誰も私を望まない


むき出して 痛い 痛い


強がって 痛い 痛い


息詰まって 痛い 痛いんだよ……


私って失敗作だってさって…


要らない子なんだって…


何やったって頑張ったってダメらしいや…


愛愛愛されたくて偽って……


もっともっと笑顔でいればいいかな……』









菊池･櫻井「……。」








あぁ私はなんてことをしてしまったんだろう。








これが《癖》というものか。








いや《口癖》なのか。








すぐ歌っちゃうんだ。人を見ると。








私は失敗作だって。








【ごめんなさい。口癖になっちゃったみたいです。笑】








菊池「…そんなこと言わなくていいから。

無理に笑わなくていいから。」








櫻井「ちゃんと笑えてないよ。

これから徐々に成功を増やしていこう。」








【そろそろ帰りますね】








菊池「何言ってんの？

点滴終わってないしあんた入院」








…入院？








【入院とはなんですか？】








菊池「…病院にお泊まりすること」








【ごめんなさい。お泊まりも分かりません】








菊池「……取り敢えず今日はここにいて？」








でもそしたらお父さんが怒っちゃう。








まだ夜ご飯作ってない。








…自力で逃げるしかない。








『…ﾀﾞｯ』








逃げろ。逃げるんだ私。








櫻井「ちょ！！待って！！」








もう帰ったら殺されるかもしれないけど








……いいや。








そんなことは無い。間に合う。








絶対。








？？「……何をそんなに急いでるかわかんないけど

俺。送ってってあげようか？」








『…ﾍﾟｺｯﾍﾟｺｯ』








？？「それはお願いします…と取ってOKかな？」








『ｺｸｯ』








？？「よしじゃあ乗って。」








この際この人が誘拐犯でも








なんでもいい。








いい人だったら乗って損は無いから。








【〇〇市××町2853-22までお願いします】








？？「……結構距離あるけど頑張るわ。




















おっけんてぃー！！！！！！！！」