あれから1ヶ月たった 12月の末
爽の言う通り、涼は1回も学校に来てなかった
齋藤さんもまだ怪我で入院してるみたいだし…
そう思いながら教室に足を踏み入れた時
色んな声が聞こえてきた
「なぁ、聞いたか?」
「あぁ…有り得ねぇよな」
「私そんなことする人だなんて
思いもしなかったのに」
「衝撃だよね…」
クラスのみんなが1つの話題で盛り上がってる様子
だった
湊「みんな、どうしたの、?」
「え、あぁ…華琴さん…、」
みんな、私の存在に気づくなりした途端
声さっきまで賑わっていた声が
消え気まずさが漂い始めた
「何も、…知らないの?」
湊「?」
私は何も心当たりもなく頭には「?」ばかりが
浮かんだ
「実は…、琴宮さんさ…、」
湊「はぁはぁ」
「琴宮さんさ、…齋藤くんに暴力振ったみたいなの…」
湊「…は…?」
湊「い、いや、嘘だよね、……?」
「……(首を横に振る)」
湊「はぁはぁ」
私はあの後、スクールバッグを机に投げ捨て
片手にはスマホ そして直ぐにローファーに
履き替えて学校を飛び出した
サボりになろうが 大学進学に関わろうが関係ない
湊「、…な、なんで…」
「華琴さんを”守る”ためにって聞いたよ…」
ピンポーン
無機質な機械音が平日の住宅街に鳴り響いた
「はい」
機械越しに聞こえる涼の声
私は久しぶりに聞くこの声 この安心感に
何故か知らない涙が出てきそうだった
そして扉が開いた時、彼はこちらを見て
目を思いっきり開いて普段の表情に戻った
でもその時の表情は無愛想で目に光がなかった
湊「涼、あのさっ、」
涼「人違いじゃないですか」
私が話をしようとしたその言葉を彼は直ぐに
遮った
涼「迷惑なんで、帰ってください」
そう言って扉を閉めようとした
湊「待っ、て…、!」
私は閉じかけていたドアを抑えた
涼「あの、ほんとに迷惑なんですけど」
湊「話だけでもっ、聞いてください、…」
涼「関わってくるなって言ったのはお前らだろ」
「それなのにそっちから関わってくるとか」
「意味わかんねぇ」
「てかほんとに迷惑だから帰ってくんね」
そう言ってさっきよりも力が増したのかドアが
閉まろうとした
湊「私を、守るためにっ、齋藤くんを
殴ったって聞いたっ…」
「私のためにしてくれた行動なのにっ、」
「私はあの日、酷いことしか言えなくてっ、」
「酷いことしか出来なくてっ、」
「ほんとに…ほんとにごめ__」
涼「今更なんだよ」
湊「…ぇ…、?」
涼「こっちはあの日…こっちはあの日ッ!!
全部を賭けてお前にッ!!」
「告白したのに…、その結果があれだッ!!」
「体調崩したなんて全部嘘だッ、聞いたろッ?」
「停学中だってッ、…高校の恥だからって」
「こっちは人生終わってんだよッ!!」
そう言って叫ぶ涼は目に雫が溜まり顔を
真っ赤にしながら
私はその言葉を静かに そして呆然と聞いていた
涼「ほんとに…ッ、もう顔見せんな…ッ!!」
そう言って私が手をかけていたドアも
止めていた力が抜け閉まってしまった
私たちの間に壁ができるように
湊「私…最低だ…ッ」
ドアの奥から聞こえる嗚咽
それを聴きながらドアに背中をつけ座り込んだ
俺…クソだ、やってる事
指定校推薦貰ってた大学も今回の1件で
消えたし、その挙句外にも出れなくて
好きなやつに当たって…
涼「ごめん…ごめんな…ごめんな…ッ」
こんなクソな俺を許してくれ…、












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。