両頬を挟む手を引きはがすと、私は椅子を後ろに向けて対面するようにして話す
顔をしかめて話を続けると、一文字さんは笑って扇子を私の頭に乗せぺしぺしと叩き始めた
頭を叩くのをやめると、今度はしゃがんで私の目線に合わせる
小さな子供の相手をする大人のようで、なんだか少し癪だ
すーと椅子を回しその状況から脱しようとするが、一文字さんは椅子の背を持ちまた目の前に引き戻された
顔がいいおじいちゃんの口説きを掻い潜る
一文字さんは一瞬不機嫌そうな顔で舌打ちをしたが、椅子を回して私を机の中に戻す
ひらりと手を振り去ってゆく一文字さんに軽く手を振った











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。