あれは…確か、私が幼稚園児だった時の話。
私は、あんまり人と馴染めなかった。
みんながおままごとをしている時、
私は、庭の片隅で、植物を見ていた。
ほかの幼稚園児からすれば、ただ単に変人だっただろう。
次第に、私に近づく人は減った。
…そんなある日、ある男の子が私の隣に来た。
その男の子は、特に私に話しかけず、じっと植物を見ていた。
だから、私も特に気にかけず、じっと植物を見ていた。
そんな日々が数日間続いた後、
その男の子が口を開いた。
男の子: …この花、なんて言うんだろう。
その子が指さしたのは…
白い花。
とっさに口を開いて、話した。
あなた:そ、それ、スターチス、っていう花なんだよ。
あなた:お花屋さんとかで売ってる花なんだって。
と、言うと、男の子は、自分を見て。
男の子:すごく詳しいんだね! お花屋さんになれそう!
と、言ってくれた。
その後…
私と彼は、どんどん距離が近づいていった。
名前は忘れてしまったが、綺麗な名前だったことは覚えている。
そして、ある日。
その子が幼稚園からお引っ越しすることになった。
その時、その子が
私に、あの白いスターチスのドライフラワーの花束をくれて、
何かを言っていた…(詳しくは2話の最初までバック🔙)
その言葉と一緒に、ドアを開けて入ってきたのは…
…まさかの北斗さんでした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。