無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第17話

〜17話〜
戸谷ことは
ちょっとストップ!!
ことはちゃんの大声で、演奏が中断される。
戸谷ことは
梨華、ちゃんと私の音聴いてる?全然合ってない!そしてあなたは、全体的にまとまって無さすぎ!もっと練習してきて!
ことはちゃんは、相変らず怒ってばかりいる。
橘梨華
あはは〜ごめんねぇ。ちゃんと合わせられるように頑張るね!
りっちゃんは、ことはちゃんにそんなことを言われても、いつもの笑顔で返事をしている。
戸谷ことは
頑張るじゃなくて、やって!
橘梨華
分かったよ〜。
戸谷ことは
ほんとに。なんでちゃんとやってくんないの。
ことはちゃんは、ずっと怒っている。
なんでそんなに怒るのだろうか。
私がまだまだ上手じゃないのは分かる。
だから私がたくさん怒られるのは当たり前だ。
でも、りっちゃんは私よりも全然上手だし、ミスしてるとは思えない。
戸谷ことは
そんなんだったら、やめた方がいいんじゃないの!?
ことはちゃんのその一言で、この何週間かで溜まりに溜まっていた何かが破裂した。
あなた

ことはちゃん、なんでそんな言い方しかできないの!?

戸谷ことは
なんでってわかんないの?人前でやるものを作ってるのに手抜けるわけないじゃん!
あなた

でも言い方もっと優しくすればいいじゃん!

戸谷ことは
優しくしたから何?それで上手くなれるわけ?優しく言ったってどうせしっかりできないまま終わるんでしょ!
ことはちゃんの言い分は分かる。
分かるからこそとても悔しくて、悲しくなった。
あなた

それで……、本当に私たちがやめたらどうするの?

戸谷ことは
勝手にすればいいじゃん。そんなことで辞めるってことは、そこまでのものだったってことでしょ?
何も言えない。
橘梨華
ことはちゃんも、あなたちゃんも、頑張る気持ちはあるんだよね!大丈夫大丈夫!これからどんどん上手くなっていくよ!
戸谷ことは
なんであんたは、いつもそんな呑気なの?この間だって……
あなた

もういいです!私、今日は帰ります。

ここからいなくなったって、なんの解決にもならないのはわかっている。
でも、これ以上ことはちゃんの言葉を聞きたくなかった。
橘梨華
待って待って!あなたちゃん!もう少しだけやってみようよ!
戸谷ことは
そんなやつほっとけばいいじゃん。
スタジオの重たいドアを開く。
あなた

ごめんね。りっちゃん。

そう言い残して、私はスタジオを出た。
とっくに梅雨はあけたはずなのに、外は雨が降っていた。
どんよりとした灰色の雲は、鏡みたいに私の胸の中を写していた。
あなた

もう。どうしたらいいのか分かんないよ。

気づくと私は、傘もささずに自分の家の方向へ走っていた。