およそ3時間、
40kmほど走っただろうか。
走っても走っても終わりは見えてこない。
周りの人たちは少しきつそうに息が上がっている様子だ。
疲れているわけではないが
この単調な遊びのようなものにただ単に飽きている私がいる。
そう重い後ろを振り向くと、汗だくで今にも倒れそうなレオリオがいた。
私が声をかけた瞬間、レオリオは魂が抜けたように膝から崩れ落ちた。
その様子にすぐさまゴンが駆け寄る。
その光景を見たキルアは呆れたように口を開く。
その眼差しは驚いたような、
珍しいものを見るかのような目だ。
それほど鍛えられているのだろうか。
けれどゴンはそこから動こうとはしなかった。
息の切れたレオリオを待つかのように動かない。
まるで、信じていると言っているように。
その期待に応えるかのようにレオリオは持っていたバッグを捨てもう一度走り出した。
その光景をまたゴンは持っていた釣竿でレオリオのバッグを釣り上げる。
すごい。こんな使い方もできるのか。
ニコッと笑うゴン。
こういう社会の闇を知らないような純粋な少年が、将来立派なハンターになるようなものだ。
そう思いながら、私たちはまた走り始めた。
80km地点通過。
そろそろ脱落者も出たところだろうか。
私とキルア、そしてゴンは先頭のサトツさんの後を追っていた。
その先に見えたのは、長々と続いた階段。
急な坂のような構造になっており、まるで終わりがないと告げるような階段だ。
にやにやとした顔で聞いてくるキルア。
素直ですけど。
年下におぶられるとか恥ずかしすぎて一生の恥だよ。
横にいたゴンが私たちを宥めるように話しかける。
キルアもゴンも12にしては末恐ろしいくらいの身体能力、精神力だ。
キルアに関しては、もう言うこともないだろう。
その場の雰囲気に乗り、
気になったことを聞いてみる。
予想外にも口を開いたのは不貞腐れてるキルア。
走りながらもキルアのほっぺをつん、とつく。
こういうところは幼さを感じる。
まだ12歳、何も知らない、
いや、知ってはいけない。知らなくていいんだ。
キルアのまだ幼い体の中に渦巻いてる大きな闇。
12歳が背負うには大きすぎるんだよ、キルア。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。