そこからは時間が過ぎるのがとても早かったと思う。
一次試験の途中、ニセモノの試験管が出てきたり、
その試験管にトランプを投げつける奇術師(?)がいたり、
その奇術師にレオリオが殴られてたり。
二時試験は合格者が1人も出ず、今年は合格者0人の危機だったりと、、、
まあここのハンター協会会長、
みたいな人がかろうじてとたすけてくれたんだけど。
1日に動き回る量じゃないだろ!と、ツッコミを入れたいほど動いたと思う。
現に私の体はもうへとへとだった。
どうやら三次試験会場到着は明日の午前8時程になるらしい。
それならもう寝て体を休めたいところなのだが、
このキルアさん、どうやら私と探検とやらをしたいようで。
なんてその場のノリに合わせようとしたのだが、
ゔ、
きゅるんとした瞳で見つめられては私も折れるしかないだろう。
私の言質を取るとキルアはすぐに走り出してしまった。
数十分と飛行船の中をぐるぐると見て周り、
私たちは休憩がてら大きな窓の近くに腰を下ろした。
窓から見える景色はとても綺麗で、
星がキラキラ輝いており、雲もない。
私はゴンとキルアにそう言いながら窓の外を指差す。
それを見た2人も同時に夜空を見上げた。
2人も私と同じように目を輝かせている。
夜空に見惚れ、3人の間に少しの沈黙が流れる。
そんな沈黙を破ったのはゴンだった。
それを聞いたキルアは気が進まないように答える。
それを言ったキルアの顔が少し曇ったように感じた。
わかりきっていることを聞く私も私だ。
私とゴンの声が重なる。
2人でびっくりしたように顔を見合わせる。
キルアはそんな私たちを差し置いておもしろそうに笑った。
おかしそうにお腹を抱え、
目に涙を溜めて笑っているキルア。
キルアとは対照的に、きょとんとしたゴンが聞き返す。
12歳にしては、雰囲気も大人びているとは思う。
ゴンとは違い、12歳らしくない、と言った方が正しいのだろうか。
キルアがニヤッと口角を上げる。
その顔は、どこか虚しそうだった。
一緒だ。
私も、嫌だった。
親に決められる人生、なんて。
全て全て全て全て、
親に決められて、生まれた時から、自由なんてなくて。
友達なんて、持ったことなかった。
私は一生、こうやって誰かに決められながら人生を終えるんだって。
ずっとそう思ってた。
だけど、キルアとゴンに出会ってからは、
自分で決めて生きてもいいんじゃないかって、
人の言いなりになんてならなくていいんじゃないかって。
思わせてくれて、だから、だから私も
立派なハンターになって、
破天荒な人生を送ってみたいんだ。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。