放課後。
私は教室で独り、窓から校庭を眺めていた。
何もすることがなくて、一緒にいてくれる人もいない。
《孤独》というものはこんな感じなんだな、と思った。
私はスクールバッグを手にして、教室の出口へと向かう。
『帰っちゃうの?』
─────────ドクン!
心臓が飛び跳ねる。
突然、目の前に人が現れたのだ。
私の、よく知っている人────────
いつもの桜ならそう言って微笑むハズなのに、今の桜は無表情だった。
私は平然を装う。
私はそう言って、桜の横をスタスタと通り過ぎる。
だけど...
桜に腕を掴まれて、引き留められた。
少しだけ、顔が引き攣る。
─────────ドクン!
私はいかにも嫌そうな顔をする。
親友、親友、親友...
────────パシッ
私は、桜が掴む腕を無理矢理離した。
私がきっぱりそう告げると、桜の顔が曇った。
......は?
ああ、鬱陶しい。
私が怒鳴ると、桜の肩がびくっと揺れる。
『生まれて来なきゃ良かったんだ!!』
私は、叫んだ。
それは、人間として言ってはならない酷い言葉だった。
何も考えずに怒鳴っていた私は、桜の気持ちなんて考えもしなかった。
桜は泣きだした。
桜はそう言い残して、教室を飛び出していった。
それは、私の中から全てがこぼれ落ちた瞬間だった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!